傾斜地等では、半地下タイプの一戸建てやマンションをよく見かけます。同じ敷地面積でより多くの床面積を確保することができ、土地の有効活用の面からは有効ですが、都市計画法や建築基準法ではどのような規制を受けるのでしょうか。

都市計画法による用途区域と容積率

都市計画法では、一体の都市として整備・開発・保全すべき区域を、都道府県知事が都市計画区域として定めます。さらに、無秩序な宅地開発を防止するために、都市計画区域を、市街地として整備すべき市街化区域と、開発を抑制すべき市街化調整区域に区分(これを線引きと呼びます)します。

市街化区域は、さらに用途地域に区分し、それぞれの用途別に土地利用を規制し、用途の混在(例えば住宅地のど真ん中にパチンコ店ができるなど)を防止します。例えば第二種低層住宅専用区域は、主に低層住宅の良好な住環境を守る地域とされ、住宅の他は床面積が150平方メートル以下の店舗以外は建築できず、その用途も制限されます。

さらに用途区域ごとに容積率と建ぺい率の上限が課されます。一番厳しい一種低層の場合、容積率は50%から200%の間で都市計画に基づき決定されます。これが都市計画法による指定容積率です。さらに、前面道路が12メートル未満である場合にはその4/10以下まで容積率が制限されます。これを建築基準法による基準容積率と呼びます。

ちなみに容積率とは、延べ床面積を敷地面積で割った比率です。この制限が厳しいほど、敷地に建てられる建物の床面積は小さくなります。

半地下室に対する容積率の取扱い

以下の要件を満たす半地下室は、住宅全体の床面積の1/3を上限として、床面積を容積率の算定から除外することができます。

・地面から天井までの高さが1m以下

・床が地面の下にあり、かつ、地上に顔を出している部分がその階の1/3以下であること

・居住の用に供されること

なお、半地下室の容積率不算入に当たって、共用廊下の部分の床面積は算定に含めません。

 
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