住宅の新築または購入をした場合に住宅ローンの融資を受けていれば所得税が安くなります。この優遇税制は多くの方がご存知でしょう。さらに住宅が認定住宅等に該当すれば、さらに税金が優遇されるのです。
認定住宅等の新築等に係る住宅借入金特別控除(以下「認定住宅等の特例」)による節税額
通常、住宅等を新築または購入した場合には、最高で10年間、住宅ローン融資残高の1%(限度額40万円)を所得税額より控除できます。節税額は10年間合計で400万円です。
住宅が認定住宅等に該当する場合には、限度額が50万円まで拡大されます。10年分の節税額合計は500万円に達し、通常の場合より100万円節税できます。
認定住宅等の特例の趣旨
我が国の場合、中古住宅が住宅市場に占めるシェアは15%に満たず、8割前後に達する欧米の1/6程度の水準にとどまっています。日本人の新し物好きもその一因ですが、そもそも住宅寿命の短かさも影響しています。イギリスの場合住宅の平均寿命は76年なのに対し、日本の場合は1/3の26年に過ぎません。
そうした状況を少しでも打破しようと、認定住宅等の特例は、国土交通省の旗振りのもと、長期優良住宅の普及をねらいとして平成21年に導入されました。同時に特例では、地球温暖化防止に寄与する低炭素化住宅の普及もめざしています。
非居住者は適用を受けることができない
住宅ローン控除と異なり、特例を受けることができるのは、居住者(日本に住所または1年以上居所を有する個人)に限られます。
認定を受ける手続き
特例を受けるためには、認定通知書(長期優良住宅建築計画または低炭素住宅新築等計画の)または住宅用家屋証明書を入手し、確定申告書に写しを添付しなければなりません。認定通知書は、一級建築士事務所、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関のいずれかで発行しています。登記された物件なら、住宅用家屋証明書は登記済権利証の冊子に綴じられています。