「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、平成29年で3年目を迎えます。この法律により特定空家に指定されると、住宅用地に対する固定資産税の減額措置(敷地面積200平方メートルまでの部分は1/6、200平方メートルを超える部分は1/3まで減額)の適用を受けることが出来なくなります。それだけでなく、何の対策も講じないと、修繕・撤去の指導・勧告を受け、最悪の場合は強制的に取り壊されるケースもあります。
空家等対策の推進に関する特別措置法とは
高齢化の進展や地方の過疎化を背景に、全国の空家は800万戸を超えました。こうした空家は、地域コミュニティーの生活環境にも著しい悪影響を与えています。政府の対策遅れに業を煮やした自治体は独自にアクションを取り始め、平成26年の時点で条例を制定した自治体は400に上りました。
こうした中で平成27年に空家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、自治体は協議会を設置し対策を講じることが出来るようになりました。特に特定空家に関するルールの整備により、放置された空家に対する強制的な行政措置が可能になったのです。
特定空家の指定
建物が老朽化しこのままだと倒壊などの危険性が高い、廃棄物などが放置され衛生上著しく問題を抱えている、周囲の景観を損なっているなど、このまま放置することが適当でないと市町村が判断した家屋および敷地は、一定の手続きを経て特定空家に指定されます。
特定空家に対する措置
特定空家に指定されると、ガイドラインに基づき、市町村は所有者に対して、次のステップを踏んだうえで状況を改善するための措置が講じるよう求めます。
・指導・助言(修繕や撤去の検討をお願いする)
・書面による勧告(この段階で、固定資産税の優遇措置が受けられなくなることを通告する)
・書面による命令(所有者に対する事前の意見聴取を行う、場合によっては標識を設置して通告する)
・代執行
ちなみに、代執行まで至ったケースも、平成27年28年の2年間で18件に上ります。