市場主義経済において、所有者はその自由意思に基づき、土地を最大限有効に活用できるのが原則です。ただし実際には、防災上や良好な居住環境維持の目的から、建築基準法や都市計画法等によりさまざまな規制が設けられています。その一つが「建ぺい率」です。住宅情報サイトなどで紹介されている物件には、必ず建ぺい率が記載されています。
建ぺい率の定義
建ぺい率とは、土地の敷地面積に建築できる建坪の割合を意味します。例えば建ぺい率50%、敷地面積100坪の場合、建坪の限度は100坪×50%=50坪です。ちなみに建坪は外周ではなく、外壁・柱の中心線(屋根や庇が1m以上はみ出している場合には、1m後ろに下がった線)を基準に面積を測定します。これを水平投影面積と呼びます。
建ぺい率適用の原則
建築基準法では、建物できる建物は指定された建ぺい率が限度とされています。建ぺい率の指定は、都市計画に基づき、その用途区域別に、都道府県が実施します。都市計画法は、用途区域によって指定できる建ぺい率の範囲を定めています。例えば、第一種低層住居専用地域の建ぺい率は、30%、40%、50%、60%のいずれかに定められます。
建ぺい率の緩和
角地緩和
土地が角地にある場合には、指定建ぺい率に10%が加算されるケースがあります。これを許容建ぺい率と呼びます。ちなみに角地とは、交差する2つの道路に面している土地を意味します。
角地に準ずるとみなされる土地
前後を道路に挟まれた土地及び一方が公園・河川に面した土地も、原則として角地に準ずるものとみなされます。
また、道路幅員が角地緩和の要件を満たしていない場合でも、道路の向かい側に公園が隣接している場合は、角地とされる場合があります。
自治体ごとの規制
適用を受ける条件は、自治体によって異なります。例えば千葉市の場合、2つの道路の幅員合計が10m以上であること、主変の1/3以上を道路等に接していることが求められます。