災害が心配などと相談しても、不動産屋はきっと、「水害なんて50年や100年に1回ですよ」と笑うでしょう。彼らも商売ですから。そんな言葉を真に受けたら、後で泣くことになりかねません。水害は、今や10年サイクルでやってくると考えておいて間違いないのです。
災害リスクの少ない物件選びにはハザードマップ
地球温暖化の影響からか、最近は台風や集中豪雨はより局地的かつ強力になりつつあり、水害や土砂災害が日常茶飯事に起こっています。床上浸水でもしようものなら、嫌な臭いと汚泥が染みつき、家具や衣類はもちろん、床や壁紙まで張り替えなければなりません。
物件選びにあたっても、マンションのような鉄筋コンクリート建築物は別として、周辺地域の災害の可能性を調べ、リスクを避けなければなりません。
そこで役に立つのがハザードマップです。
ハザードマップとは何か、どこで閲覧できるのか
ハザードマップは、自然災害の被害範囲と被害度をマップに落とし、災害時の避難や防災に役立てることを目的としています。国土交通省のハザードマップポータルサイトにアクセスすると、各自治体が作成した「わがまちハザードマップ」と、国土交通省が作成した「重ねるハザードマップ」の2種類を閲覧できます。
各自治体の「わがまちハザードマップ」
自治体によって、取り組みのばらつきが激しいのが実情です。ただし、水害でいえば河川氾濫による洪水災害マップだけでなく、下水道など市街地からあふれ出した雨水による水害(内水災害と呼びます)も予測マップも作成しています。重ねるハザードマップと合わせて活用すると便利です。その他、自治体によっては、アンダーパスの危険地域を記載したり、小学校などの施設名を載せてわかりやすくするなど、工夫を凝らしています。
国土交通省の「重ねるハザードマップ」
河川氾濫・土砂災害・地震時の危険エリアだけでなく、明治期の土地利用状況(低湿地などがわかる)、土地条件、断層図、治水地形分類図(扇状地や氾濫平野がわかる)などを重ね合わせることで、土地の安全度をより複合的に判断できます。