つい最近のことですが、アパートオーナー100人以上が、サブリース契約を結ぶ不動産会社を相手取り、名古屋地裁に集団訴訟を起こしました。訴訟理由は、部屋に備え付ける家具・電化製品の交換に関するトラブルのようですが、ここ数年でサブリース契約に関するトラブルは耳にします。
そもそもサブリース契約にはどのようなメリットがあり、どんなトラブルに気を付けなければならないのでしょうか。
サブリース契約とは何か
「そろそろ家賃を払っておくれよ」滞納常習者からあの手この手で家賃を支払わせる大家さんは、歌舞伎の芝居にも登場します。ところが最近は、家賃徴収を代行業者に委託するアパート・賃貸マンションオーナーが増えています。
サブリース契約はさらに一歩進んで、管理会社がオーナーより賃貸物件を一括借り上げたうえ、入居者に転貸します。オーナーは、家賃から10%-15%程度差し引いた金額を保証料として受け取ります。
サブリースのメリット
サブリース契約を結べば、オーナーは安定した保証料収入を受け取ることができ、空室や家賃滞納のリスクから解放されます。同時に、入居者募集・保守修繕管理・入居者同士のトラブルや近隣からのクレーム処理・家賃集金や督促といったわずらわしさから解放されます。
サブリースの落とし穴
いいことずくめのように聞こえるサブリースですが、賃貸管理を他人任せにしておいて、すべて上手くいくと考えること自体が甘いのです。
もともとサブリース契約は、不動産会社が営業ニーズで進めてきた施策なのです。つまり、個人資産家にアパート・賃貸マンション建築を売り込むため、「安定した収入をサブリースで保証しますよ」と背中を押してきたのです。
問題になるのは、保証料が2年程度のサイクルで更新される点です。ここで多くの管理会社は、手のひらを返したかのように大幅な保証料の減額を要求してきます。もし減額に応じなければサブリース契約の解除をちらつかせます。最近は空室率の高い物件も多いので、オーナーは泣き寝入りせざるを得ないというのが実態です。