例えば首都圏なら、東京都区内や都下でも三鷹・調布・武蔵野などの23区隣接市、横浜市の中心部などで家探しする場合、意識することはありません。利便性を犠牲にして少し都会から離れた物件を探そうとしたときに、はじめてこの規制に出くわすケースも多いでしょう。
「市街化調整区域?なんですかそれ?」って方も多いと思います。
ところが郊外、ましてや三大都市圏以外の地方都市で不動産を取引する場合には、どこが市街化調整区域に指定されていて、何が規制されているのか、例外許可の要件は何か、などへの理解が欠かせません。
もしも家の隣にパチンコ屋ができたら
例えば、あなたが暮らす住宅地のど真ん中にいきなりパチンコ屋さんができたらどうしますか?都市計画法では、そうした無秩序な土地開発を規制するために、都道府県が都市計画区域を指定することと規定しています。さらに都市計画区域は、市街化区域と市街化調整区域に区分され、市街化区域では、用途地域別に住宅・商店・工場施設など土地開発の用途が制限されます。
市街化調整区域では都市開発が原則認められない
一方、市街化調整区域は、「市街化を抑制する地域」と定義されており、用途地域は指定されていません。つまり緑化地域や景観保全のため、農水産業や役所の施設以外は、建物の新築や増築は原則できないのです。
横浜市内にも存在する市街化調整区域
「そんな郊外に家を買う気はないから大丈夫」と思っている方も注意が必要です。例えば横浜市でも、横浜駅やみなとみらいといった中心部は別として、瀬谷区・戸塚区といった南部エリアを中心に多くの地域が市街化調整区域に指定されています。
区域内既存宅地の増改築・新築は規制が厳しい
市街化調整区域では、今までから建っていた住宅(既存宅地)の場合、増改築や新築が建築確認申請だけで認められてきた時代もありました。ただし、現在では、開発審査会の議決を受けたものなどを除き、都道府県知事の開発許可が必要です。この許可はハードルがきわめて高く、現実的ではありません。