ご両親から持家やアパート・店舗などの不動産を遺産として引き継いだ場合、誰がどの財産を相続するかをご兄弟で相談して、分割協議書にまとめる、ここまでは誰もがやります。

そのまま放置されがちなのが不動産の相続登記です。

登記簿は円滑な不動産取引のために公開される
登記簿は登記所(法務局)に保管されています。商業登記簿には法人に関する情報(代表取締役名等)が、不動産登記簿には土地・建物の情報が掲載されています。

不動産登記簿は、公開されていて、誰もが閲覧し、誰が所有しているか、何に利用しているか、抵当や担保に入っていないかなどを確認でき、円滑な不動産取引につながるのです。

相続登記を放置する事情
実際、相続登記を放置しているケースは多いようです。理由の一つは費用が掛かるからです。司法書士への代行費用は別としても、登録免許税がばかになりません。例えば時価1億円の土地の場合登録免許税は、以下の通りです。
固定資産税評価額(時価の7割相当)7000万円×4/1000=28万円

放置していても、罰則があるわけではなく、不動産を利用し続けるのに支障は出ません。

相続登記を放っておくと後々面倒なことに
ただし、後々、放っておくと面倒なことになりかねません。相続登記されていない不動産は売却出来ないのです。その他、担保に差し出す時、土地の上に高圧電線が通って地上権が設定される時も、古い登記のままでは困ります。

その時に慌てて相続登記しようとして、多くの問題が発生します。

所有者が亡くなった時点で相続登記がなされていないと、登記上、その不動産は相続人全員で共有されているとみなされます。

相続登記には、相続人全員に署名捺印させ、印鑑証明書も取り寄せてもらわないといけません。
仮に相続人の誰かが亡くなってしまうと、相続登記するのに相続人のまたさらに相続人にもこの面倒な手続きをお願いしなければなりません。

相続人、相続人の相続人が所在不明な場合、認知症などで責任能力を喪失している場合もまれではないのです。そうした事態に陥らないよう、相続があったら、相続登記はお早めにお願いします。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ