新聞に、よく住宅物件の広告チラシが挟み込まれています。見ると、同じ一丁目の似たような売り地なのに、値段が全然違う。さまざまな事情で価格が形成されているのでしょうが、素人にはよくわかりません。ましてや、チラシの値段通りで取引されるケースは滅多にないらしく、不透明感が強いのです。
そこで客観的な公表されている地価が頼りになりますが、路線価・公示地価・基準地価(基準地標準価格)などさまざまです。それぞれの違いはどこにあるのでしょうか。
路線価
路線価は、市街地にある、不特定多数が通行する道路(路線)に接する土地の、1㎡当たりの評価額です。ですので、山間部や大規模な工場地帯、農村地域には、路線価は設定されません。路線価は正面に接する路線によって変わってきます。
一般的には幹線の方が、狭い住宅地の道路より路線価は高めです。また、例えば同じ環状7号線でも、下馬と用賀で路線価は変わってきますし、上り線側と下り線側でも違います。このように路線価は路線を番地ごとに細かく区切って設定されています。
路線価は、相続税の課税価格の算定基準として国税局が決定します。毎年1月1日時点の路線価を、その年の7月に公表します。課税額に影響することもあり設定価格は抑えめで、公示地価の8割前後に定められています。
公示地価
公示地価は、土地取引に指標を示し、かつ、公共事業用地の補償費用に算定根拠を与える目的で、標準的な土地の取引価格として位置づけられています。路線価とは違って課税目的ではありません。所管官庁は国土交通省で、全国2万以上の標準地ごとに公示地価を設定します。標準地は、土地鑑定委員会が周辺地域の中から標準的な土地取引が行われているエリアを選定します。3つの地価の中で、実際の取引価格に影響を与えると言われているのが公示地価です。
基準地価(基準地標準価格)
基準地価の目的と特徴は、公示地価と似通っています。ただしその所管官庁は各都道府県です。大きく違うのは調査時点が7月1日という点で、公示地価と半年ずれています。つまり半年間の地価推移を把握できるのです。