例えば、短期間にご両親が亡くなり、首都圏など地価の高い地域の一等地の事業用・貸家・居住用不動産を相続で引き継ぐことになった場合、喜んでばかりもいられません。多額の相続税が課される可能性が高いのです。とくに、相続税の基礎控除額が引き下げられたこともあり、課税額は以前より増えています。

特に現預金や株式など換金できる資産が少ないと、最悪の場合、納税資金を手当てできず、延納や物納を申請したり、不動産の一部処分に追い込まれるケースもあります。不動産を急いで処分すると、足元を見られ買いたたかれる事態も否定できません。

つまり、ご両親が評価額の高い不動産をお持ちのケースでは、節税策云々を講じる以前に、不動産の評価額を想定し、あらかじめ相続税の納付額を想定し、納税資金を確保しておくことが欠かせないのです。

宅地の評価額の計算方法①路線価方式

宅地の評価額は、路線価が定められている区域では、原則として以下の算式で計算します。

正面路線価×敷地面積×補正率

正面路線価:角地など2以上の道路に接している場合は、一番高い路線価を正面路線価とします。その上で残りの道路の路線価(速報路線価、後方路線価)も加味して計算します。

敷地面積:登記上の面積と実際の面積が異なる場合は、実際の面積を使います

補正率:奥行長大、間口狭小、セットバックの有無、不整形地など「宅地の形」の良しあしを補正します。

路線価とは

各国税局は、所轄区域のその年1月1日時点の路線価を、毎年7月に改訂します。国税庁ホームページ上で公開され、閲覧が可能です。その価格は、公示地価の8割前後とされています。

宅地の評価額の計算方法②倍率方式

路線価が設定されていない地域の宅地は、倍率方式により評価額を計算します。算式は固定資産税評価額(管轄の都税事務所または市役所・町村役場で確認します)×一定の倍率(国税庁ホームページで閲覧できます)です。

建物の評価額の計算方法

建物の評価額は倍率方式で計算します。算式は、宅地の場合と同じです。

 
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