資産価値が高く、比較的売りやすいと言われていた大規模マンション。とはいえ、売りに出してもなかなか買手が付かない物件もあるのです。では、どんな物件が売り難いのか、その理由を探ってみましょう。
売りに出ている物件が多い
大規模マンションは総戸数が多いので、同時期に売りに出される物件が重なる確率も高くなるわけです。新築分譲時は、階数や間取りのタイプ、向きなどによって販売価格を設定していますが、売却する際は個々の所有者が任意で売値を決めることになります。
ある程度の相場はあるとしても、売主の気分や事情によって価格が異なってきます。なので、階数や住戸タイプが同じでも売価が異なることがあるわけです。同じ条件の物件なら、当然のことながら安い方が先に売れるでしょう。
低層より上層階、北向きや西向きより東南の角部屋の方が人気なので、そちらが先に売れる可能性が高いわけです。となると、低層階の北向きや西向きの住戸は、なかなか売れないということになります。
何時まで経っても売れなければ、「売れ残り物件」というレッテルを貼られて更に売れなくなってしまいます。それに売り物件が多いマンションは、何か問題があるのではないかと敬遠されることもあります。
資産価値の低い大規模マンションとは
規模の大小に関わらず、利便性の良し悪しはマンションの資産価値を大きく左右します。敷地内や共用部に商業施設があるという利便性は、大規模マンションならではの魅力です。しかし、品質の悪い施設に入れ替わるとか、閉鎖されていれば資産価値が下がります。
近年の大規模マンションは駅周辺の再開発と一体的に整備されるケースが多くなっています。そういったマンションは利便性が高いだけでなく、周辺環境も暮らしやすく整備されているので資産性が高く人気があります。
しかし築年の古い大規模マンションは、駅から遠く近隣にこれといった商業・文化施設がないケースも少なくありません。総戸数が多いだけで、これといった目玉がないマンションは資産価値が低くなるので売り難くなるわけです。
賃貸が多いと、資産価値が下がる傾向があります。大規模マンションでは、コミュニティの質が資産価値につながります。良好なコミュニティを維持するために管理組合が重要な役割を果たします。
しかし、管理組合のメンバーは住人ではない所有者であり、賃貸人は住人であっても蚊帳の外の存在なのです。そのため、所有者である住人と賃貸人の間に溝ができて良好なコミュニティの維持が困難になります。
「マンションは管理を見て買え」と言われているくらいですから、管理組合が正常に機能していないマンションは資産価値が低いとみなされて敬遠されるというわけです。