住宅を売却する場合、これまでは不動産会社に仲介を依頼するのが一般的でした。ところが、近年は不動産会社に買取してもらうケースが増えてきたのです。

では、仲介による売却ではなく、不動産会社に買取してもらうメリットとは何なのでしょう。ということで、今回は買取のメリットについてお話しましょう。

買取する不動産会社の事情

不動産会社の立場で考えると、最も大きな違いはリスクの大きさです。仲介に於けるリスクは、主に広告費や営業経費です。仮に買手が付かずに媒介契約が終了したとしても、それほど大きな損失にはなりません。

しかし、買取となると多額の資金を投じて家を在庫することになります。大概は買取った住宅をリフォームやリノベーションして販売するので、その費用負担が生じます。

売却までに時間がかかれば、その分だけ金利負担が増えてしまいます。何かしらの問題が生じて、売価が予定した価格を大きく下回れば多大な損失を被ることになります。

そういった費用負担やリスクがあるので、仲介での売却価格より低い価格になるわけです。もちろん、成約時の不動産会社の利益は仲介の比ではありませんけどね。

売主のメリット

では、売主の立場ではどうでしょう。

仲介での売却価格より安くなるものの、短期間で売買が成立するというメリットがあります。つまり、お金を早く手にすることができるわけですね。なので、資金計画が立てやすく、住替えする場合は次のローン手続きがスムーズに行なえます。

ワケありで家を売却するケースだと、お隣やご近所に知られたくないこともあるでしょう。そういった場合、仲介と違って広告は出さないので誰にも知られずに売却することができます。

買取の場合は不動産会社が買主になるので、仲介手数料が不要になるというメリットがあります。つまり、最高で売却価格の3%プラス6万円が節約できるわけです。

仲介で売却する場合は、特約で瑕疵担保責任の免除を記載しておかないと売主は1年間の瑕疵担保責任を負う必要があります。しかし買取の場合は、始めから瑕疵担保責任が免除されるのです。

買取の形態

買取には大きく二つの形態があります。ひとつは、価格の折り合いが付けば即時買取する形態。ふたつ目は、一定の期間だけ仲介で買手を探し、その期間内に売れなければ買取るという保証を付ける形態です。

その時々の事情や考え方次第ですが、何れにしても買取はその後の計画が立てやすいというのが最大のメリットですね。

 
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