(株)東京カンティが発表した2016年11月の調査によると、新築一戸建ての平均価格動向がほぼ全域で弱含という結果になっています。首都圏の中古一戸建て平均価格も下落傾向にあり、2ヶ月連続で3,000万円割れという状況。
新築の調査対象
・敷地面積 100~300平方メートル
・最寄り駅からの所要時間 徒歩30分以内、もしくはバス20分以内
・木造建築の一戸建てで土地・建物が所有権の物件
首都圏の平均価格は3,412万円で、前年比2.2%の下落でした。
地域別価格
・東京都 4,421万円(同5.1%下落)
・神奈川県 3,620万円(同2.9%下落)
・千葉県 2,771万円(同1.2%下落)
・埼玉県 3,093万円(同0.3%下落)
2016年の9月以降、首都圏全域で新築一戸建て価格の下落傾向が続いています。埼玉県の0.3%に比べて東京都の下落率は5.1%と高く、東京都の下落率は首都圏でも突出した数字になっています。
近畿圏も前年度比2.0%の下落で、平均価格は2,897万円。
地域別価格
・大阪府 3,136万円(同2.9%下落)
・兵庫県 2,875万円(同6.0%下落)2ヶ月連続
・京都府 3,063万円(同2.9%下落)5ヶ月連続
大阪府と京都府の2.9%に対して、兵庫県の下落率は倍の6.0%と下げ幅が大きくなっているのが気になりますね。
中部圏の平均価格は2,887万円で、0.6%の下落で2ヶ月連続。愛知県の平均価格は3,156万円で0.3%の下落となっています。
首都圏の中古一戸建ても下落傾向
首都圏の中古一戸建ても千葉県以外は2ヶ月連続で下落しており、平均価格は2,914万円で前月比6.5%と大幅に落ち込み、6月以来5ヶ月ぶりに3,000万円を割り込んでいます。
・東京都 5,759万円(同10.0%下落)大幅下落
・神奈川県 2,914万円(同7.1%下落)2ヶ月連続
・千葉県 1,926万円(同4.2%上昇)
・埼玉県 2,159万円(同7.9%下落)
東京都10%、神奈川県7.1%、埼玉県7.9%と大幅に下落している中、千葉県だけが4.2%上昇しているのが注目点ですね。ただ、4.2%も上昇したのに平均価格が1,926万円と、首都圏で唯一2,000万円を切っています。
そもそも、千葉県では元々価格が安かったわけで、千葉県の一戸建は相対的に割安感があり、今後も値上がりするかもしれませんね。
東京都に於ける一戸建ての平均価格の下落率は、中古(10.0%)が新築(5.1%)の倍近くになっており、中古物件の売却が厳しい状況であることが想像できます。
人気エリアだとか駅近で周辺環境が良好な好立地であれば別ですが、それ以外の物件を売却するのであれば価格を下げる必要があるでしょう。何れにしても、2020年の東京五輪に向けての価格上昇は期待しない方が良いかもしれませんね。