2016年10月末に、不動産情報サービスのアットホーム株式会社が「一戸建て・マンションのご近所付き合いの違い」の調査結果を公表しました。
これは、首都圏の持ち家に住み始めて2年以上経っている30~60代の既婚女性を対象にしたインターネットによる調査で、その結果から、それぞれの暮らしぶりや考え方が垣間見えてきます。
調査エリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県で、人数の内訳は一戸建て312名、マンション312名の計624名。年代は、30代から60代まで各78名ずつ。
ご近所さんとの親密度は一戸建ての方が高かった
一戸建てのご近所さんとの付き合いは、「とても親しい」が3.5%、「まあまあ親しい」が46.5%で合計50.0%。マンションの近所付き合いは、「とても親しい」が1.0%、「まあまあ親しい」が33.3%で合計34.3%という結果でした。
お土産やおすそ分けのやり取りがあるのは一戸建てが42.3%とかなり多いのですが、マンションは23.7%と少なく、親密度の違いが顕著に現れています。
ご近所とは「あまり親しくない」と答えたのは一戸建てが42.6%だったのに対して、マンションは46.5%で然程の差はありませんでした。
“隣は何をする人ぞ”は、やっぱりマンション
大きな違いが出たのは、「まったく付き合いがない」と答えた割合です。一戸建てが7.4%と1割を切っているのに対してマンションは19.2%と2割近くとなり、双方に大きな差が出ました。
地域イベントや町内会での交流をしているのは、一戸建ての16.3%に対してマンションは8.0%と半分以下です。この数字から、地域コミュニティに対する意識の違いが垣間見えますね。
面白いのは、ご近所さん都の付き合いに於ける「満足度」です。一戸建て64.9点、マンション63.6点と、双方に殆んど差がありませんでした。そこから垣間見えるのは、マンションでは「まったく付き合いがない」近所付き合いに満足している人が多いということです。
理想のご近所付き合い
これについては双方に大きな差はなく、「遭遇した際に軽く挨拶をかわす」は、一戸建てが71.8%でマンションは69.2%。「遭遇した際に立ち止まって会話を交わす」は、一戸建てが62.2%、意外にもマンションはポイントが高く55.4%となっています。
どちらの住人も、互いの生活に干渉し合うような煩わしい関係は望んでいないが、挨拶やある程度の会話をする関係はあっても良いと考えているのでしょう。どうも、程々の距離を保った「ご近所付き合い」が好ましいというのが本音のようですね。