給料が上がるどころか手取りが減ってしまったとか、リストラなどの事情で住宅ローン返済が厳しくなった人が増えているようです。ということで、今回は返済の延滞が続く状況の打開策として、任意売却という方法をご紹介します。
返済を延滞すると督促状が送付される
住宅ローンの返済が延滞すると、金融機関から督促状が送られてきます。基本的に納付期限(支払日)から20日以内に送付されますが、大概はその前に銀行から催促の電話があります。
支払いが遅れも、指定された返済用口座に振り込めば自動的に引き落とされます。しかし延滞損害金が日割計算で加算されるだけでなく、延滞履歴が残りあなたの信用に傷がつきます。
延滞損害金は返済額ではなく、元金を基に計算して加算されます。延滞履歴は1年後には消されますが、その間は同じ銀行での借り入れは難しくなりますね。延滞を何度も繰り返すと、他の銀行からも借り入れができなくなる可能性があるので要注意です。
延滞が続くと催告書が送付される
督促状は月々の返済額に対しての催促ですが、催告書は住宅ローンの残債の返済を催促するものです。これは、金融機関が最終的な法的手段(競売)の手続きに入る前の「最後通告」です。
催告書には、「期限の利益損失」という文言の記載があり、これは分割で返済する権利を失うことを意味します。要はローンの残金すべてを一括して支払いなさいという通告で、応じなければ家を競売にかけますよということです。
催告書が来る前に任意売却を金融機関に相談
そもそも、一括返済できるくらいなら延滞などしないでしょう。なので、月々の返済が苦しくなって延滞した時点で、借入先の金融機関に任意売却について相談した方が賢明です。
せっかく手に入れたマイホームを手放したくない気持ちは分かりますが、対応が遅れれば傷が深くなるだけです。強制的に自宅を競売にかけられて、住む家を失う事態になるのは避けたいでしょう。
競売だと市場相場価格の6割から7割程度と安くなりますが、任意売却は市場価格で売れる可能性があります。高く売れた分だけ傷が浅くなるので、任意売却を選択すべきというわけです。
ローン残債が残っても大丈夫
任意売却をするにしても、売値がローン残債を下回ることがあります。その場合は売却できないかというと、そんなことはありません。
期限の利益損失をすると、融資した金融機関は保証会社(住宅融資支援機構など)から代位弁済を受けて残債を精算します。この時点で債権者は金融機関ではなくなり、保証会社と残債の支払方法について話し合うことになります。
任意売却は、債権者(保証会社)に取っても競売するより回収率が高くなるのでメリットがあります。それに、住み替えという感じで売却することができるので、近所に内情を知られずに事を進められます。
残債の支払い方法や引越し費用などについても、債務者(あなた)の経済状況を踏まえて色々と相談に乗ってもらうことも可能なのです。