大手不動産会社なら、ネームバリューがあるので悪徳行為はしないだろうし、実績もあるので安心。そう思って、大手に不動産売却を依頼する人は少なくないでしょう。
でも、果たしてそうでしょうか?
確かに、大手ならではのメリットはあります。しかしその反面、大手だから生じるデメリットもあるのです。ということで、今回は敢えて大手不動産会社に売却を依頼する際のデメリットについてご案内しましょう。
仲介業務では意外と大手のスケールメリットが活かされない
大手は全国ネットのネットワークがあり、都内だけでも支店や営業が何店舗もあります。当然、あなたの物件情報はそのネットワークで共有されることになります。しかし、情報を共有しても、必ずしも活用されるとは限らないのです。
どの業種でも大手の方が中小より給与が高いのですが、大手の営業マンには厳しいノルマが課せられます。そして、社員数が多い分、社内における営業マンの間で競争が激しくなります。
大手が取り扱う物件数は多が、営業社員の数も多いので物件の取り合いが起るわけです。そこで、他社に対してだけではなく、社内でも物件の囲い込みが行われるようになります。そうなると、店舗や社員数が多いというスケールメリットが活かされないのです。
大手は融通の利かないマニュアル人間が多い
大手は社員教育が徹底されているので、社員の質に大きな差がないという側面があります。しかしそれは、社員に個性がないということでもあります。その上、社内規定に沿った営業活動を優先するので、融通が利かないというデメリットがあるのです。
不動産には立地、建物の仕様やグレードなど、物件によって様々な違いがあります。それに、売主の事情や希望する条件も色々です。しかし教育が行き届いた大手の営業マンは、平気で会社の利益や都合を顧客に押し付けてくる傾向があります。
大手の営業マンの総てが、融通の利かないマニュアル人間というわけではありません。しかし、良くも悪くも個性の強い中小の営業マンに比べて「痒いところに手が届く」といった対応はあまり期待できないでしょう。
少なくとも仲介業務に於いては、大手だから安心でスピーディとは言い切れません。不動産を売却する際は、大手ゆえのデメリットがあることを踏まえて、中小も含めた複数の会社に相談することをお勧めします。