近年、空き家は深刻な社会問題になっています。人が住まなくなった家は劣化が進み、時間が経過するほど資産価値が下がり処分が難しくなっていきます。

比較的好立地だけど、建物が古い一戸建て。さて、売却するか賃貸などで活用するか。その選択をする際のポイントと注意点とは。

好立地で築年の古い一戸建て

立地の良し悪しにおける要素は様々ですが、まずは最寄り駅からの距離。最寄り駅から徒歩10分圏内であれば好立地、徒歩15分以内が容範囲でしょう。

それに加えて重要になるのが、主要ターミナルへのアクセスと買い物など生活の利便性といった周辺環境。これらの条件次第で、物件の価値が左右され、需要の幅が変わってきます。

■売却時のポイントと注意点

生活の利便性が高い立地であれば、建物が古くてもリフォームすれば住めるレベルなら売却は比較的容易です。この場合は、下手にリフォームなどせずにそのままの状態で売りに出した方が無難です。

何故なら、現状のままであれば買い手が自由にリフォームできるメリットがあるから。重要なのは、リフォームが可能なレベルかどうかなのです。

もし、リフォームが不可能なほど建物が傷んでいるようであれば、解体して更地にしないと売却は難しいでしょう。この際、譲渡益があれば解体費用は譲渡費用として経費計上できます。

この場合の注意点は、更地にすると税制の特例処置の対象外になって固定資産税が最大6倍になることです。つまり、更地にすればすぐにでも売れる条件を備えていないと、高い固定資産税を課せられるリスクがあるわけです。

解体費用の捻出が難しいのであれば、解体費用相当分を値下げする覚悟が必要でしょう。とはいえ、固定資産税が高くなるリスクは回避できます。それに、安くても売却すれば空き家の固定資産税を払う必要はなくなります。

■空き家活用のポイントと注意点

立地が良ければ、それなりに需要はあります。長期的には売却するより上手く活用した方がお得ということも。

ここで大事なのが、どんな需要が見込めるかを見極めることです。とはいえ、不動産の素人にはそう簡単なことではありません。そこで頼りになるのが、豊富な経験と知識を持っている不動産業者です。

■DIYリフォーム可の賃貸

賃貸に出すなら、まずはリフォームと考えがちですが、このところ流行りの“DIYリフォーム可”にするという手があります。

これは一定の条件下で借り手が自由にリフォームできるという賃貸形態で、若い人に人気があります。なので、若いファアミリー層の需要が見込めるなら、この形態であれば殆ど費用をかけず一戸建てを現状のままで賃貸することができるというわけです。

この賃貸形態におけるもう一つのメリットは、賃貸人の退去時は手出しなしでリフォームした物件が残るということです。ですので、現状のまま貸して家賃を得た上にリフォーム済みの物件として売価することもできるわけですね。

■建物を解体して活用

建物を解体して更地にすれば、特例の対象外になって固定資産税が高くなります。しかし、それなりの収入があれば問題なしでしょう。重要なのは、費用対効果です。

周辺に駐車場が少なければ駐車場として需要が見込めるし、駅に近く生活の利便性が高いなら賃貸マンションやアパートにするという方法もあります。

まず周辺環境や需要を分析し、どういった活用をすれば効果的かを検討することが肝要です。そして、身の丈に合った資金計画を立てる必要があります。それらのノウハウを持つ信頼できる不動産業者をパートナーに選ぶことが不動産の有効活用におけるポイントです。

 
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