前回、リバースモーゲージはなぜ普及しないのか?
というテーマを考えましたが、今回は貸す側にもう少し踏み込みます。
リバースモーゲージが銀行にとって儲かる仕組みであれば、
もっと普及してもいいはずです。しかし、なかなか普及しない。
それは借りる側にとっての条件が良くないからでもあるのですが、
貸す側の銀行はどのように考えるでしょう?
(1) この人はお金を返してくれるのかな?
(2) どんな家に住んでいるのかな?(売れるかな?)
(3) いくらまで貸せるかな?
あなたが銀行の融資審査の担当者だったらどう考えますか?
返済がされなくなったら、あなたの成績はマイナス評価です。
(1)この人はお金を返してくれるのかな?
担当者:この人収入が少ないなぁ、預金も少ないみたいだし、
貸すの怖いなぁ・・・。フリーローンでも借りてくれれば、
金利も高いし、銀行も儲かるんだけどなぁ。
(2)どんな家に住んでいるのかな?(売れるかな?)
担当者:マンションかぁ、マンションだと土地の部分が少ないから、
売却した時の評価が低くなっちゃうなぁ、
せめて戸建てだったらお金貸しやすいんだけどなぁ。
(3)いくらまで貸せるかな?
担当者:この人のエリアだと戸建てでも多くは貸せないなぁ。
土地の路線価が○○万円だけど、あまり人気の無いエリアだし、
路線価以上では貸せないなぁ、路線価の●●%位までの融資にしておくか・・・
貸付の返済ができず、または将来亡くなった際に売却できないようなことになったら、
銀行の屋台骨を揺るがすことになりかねないしな・・・。
いかがでしょうか?
リバースモーゲージは銀行によって内容は異なりますが、
実際には、融資の基準に合わずにニーズに合わせた金額や金利で融資を受けるのは、
難しいことが多いようです。
将来的にリバースモーゲージを活用したいと考えるのであれば、
銀行の担保評価・担保価値という事を意識して物件探しをすると、
老後のイザというときに安心の要素が増えるでしょう。
家を買うときに、マンションか戸建てかというような議論がありますが、
担保価値という視点では戸建てが有利です。
もちろん、東京都千代田区のマンションであれば、
担保評価もかなり高額になるでしょうけれど、
そんな場所にお住まいの方が、老後資金に困窮するとは考えにくいのです。
私を含めた一般の消費者が、老後生活苦労し、
いざというときに頼りたいのが、リバースモーゲージという仕組みです。