リバースモーゲージってご存知ですか?
老後資産設計における永遠の期待の星です。
なぜ永遠の期待の星という表現をしたかというと、
理想に過ぎないからです。
持家を担保にお金を借りて老後資金に充てる。
これがリバースモーゲージの仕組みです。
しかし、もう少し仕組みを理解する必要があります。
まず、銀行がお金を貸すという行為です。
何故お金を貸すのか?と考えると、
利息をつけてお金を返してもらえるからなのです。
利息というのはお金を借りる立場からは考えづらいのですが、
借りる人の立場や資金使途によって金利が変わります。
例えば、住宅ローンという商品を借りる場合には、
1%を切るような低金利でお金を借りることができます。
住宅ローン控除という税額控除を活用すると、
実質0金利でお金を借りて家を買うという事が可能です。
しかし、その前に住宅ローンの審査があります。
審査の中身は大まかにいうと
(1)あなたは誰ですか?どんな仕事をしている人ですか?
(2)あなたはお金を返せる人ですか?
(3)あなたの家を売ってお金を返すことができますか?
というこの3点です。
リバースモーゲージに当てはめて考えてみましょう。
基本的には老後資金の確保ですから、
お金が必要な人は60代以降と想定されます。
(1)あなたは誰ですか?どんな仕事をしている人ですか?
回答:私は何野何某(なんの なにがし)と言います。
仕事は無職です。年金で暮らしています。
(2)あなたはお金を返せる人ですか?
回答:普段お金を借りることはありません。
過去に借りたお金を返せなかったこともありません。
お金を借りても、きちんと利息付きで返せると思います。
(3)あなたの家を売ってお金を返すことができますか?
回答:私の家は築35年です。旧耐震(または新耐震)です。
家を売ってお金を返すことができるかどうかはわかりません。
いかがでしょうか?
お金を貸したいですか?
私が銀行だったら貸したくありません・・・。
貸すのであれば、それなりに金利を高くするでしょう。
また、貸せる金額を更地の評価額よりかなり下げるでしょう。
となると、希望の金額を貸せることはまずないでしょう。
借りる側も、それなりに高い金利を負担してお金を借りることを望むでしょうか?
借金嫌いで、運用下手な日本人には合わない仕組みと感じます。
少なくとも、現状で人口が減少していて、
長期的に不動産価格の上昇が見込めない環境でお金を貸すのはなかなか難しいと思います。