リビンマガジン読者の皆様、こんにちは。
FP王子こと高橋成壽です。
今回は、皆さんが勘違いしがちな専門家活用についてお伝えします。
不動産の専門家って誰だと思いますか?
不動産会社でしょうか?不動産会社だと答える人が多いでしょうね。
不動産会社は、不動産取引のプロではありますが、
不動産のプロフェッショナルではありません。
そもそも、不動産にプロフェッショナルはいない、というのが私の考えです。
こんな書きぶりですと、不動産関係者に怒られそうなのですが・・・
実は、不動産関係者が誰よりもわかっているのです、
「俺(私)たちは、お客さんが思っているほど詳しくないぞ(わよ)!!」と。
不動産という業界は非常に広範囲の業種です。
まず、不動産には大きく分けて土地と建物があります。
土地に関しては、エリアや用途、広さや顧客の幅などで得意不得意があるでしょう。
建物については、木造から鉄筋コンクリートまでこちらも多種多様。
全てを網羅するのは不可能です。
反対に、詳しいと言われたら怪しい。そんな広さと深さがあるのです。
こんな底なし沼のような世界で生き残るには、力強い助っ人が必要だと思うのです。
特に、重要だと思われるのは価格の妥当性です。
何故この価格なのか?という問いにスムーズに答えることができれば、
あなたも立派に不動産業界で生きていけるでしょう。
そう、価格が問題なんです。
不動産には定価がありません。
全て時価。回らない寿司屋と同じです。
いい時もあれば、悪い時もある。
いいネタ(不動産情報)もあれば、悪いネタ(不動産情報)もある。
市場や相対で価格が決まるので、価格がぶれます。
このぶれが不動産の面白みです。
ただ、素人が一生に一度しか売ったり買ったりしないような、
不動産という世界の中で、価格のぶれが面白い、なんていうことを言ったらひんしゅく。
不動産市況という流れの中で、
検討中のこの物件は、高いのか安いのか、
どういう見立てでこの価格になっているのか、
など気になる点は山ほどあります。
だから、専門家を使ってほしいのです。
例えば、日銀の金融緩和政策で何故不動産価格が上がったのか、
説明できる人は不動産会社の方でも少ないでしょう。
メカニズムをかみ砕いて説明できる人はほぼいない。
でも、不動産価格を常にウオッチしている職業もあります。
例えば不動産鑑定士。
この仕事の方々は、年中不動産価格を決めたり、計算していますから、
坪単価とか㎡単価というものにも敏感です。
なぜ、この不動産はこの価格なのか、という実際の売買においては、
知られたくないこともしっかり解き明かしてくれます。
これが、不動産会社にかかっては、
せいぜい近隣の事例がこの価格でしたから、大体この価格ではないでしょうか、
というのが精いっぱい。
もちろん、それが経験則から正しいかもしれませんが、
私が不動産を売買するなら、理解して納得したい。
多少高くてもいいんです。(本当は嫌ですが・・・)
納得して売買したいんです。
ワケあり物件が安いのと同様に、
安い理由、高い理由が知りたいのです。
ですから、あなたが不動産価格をスッキリさせたい場合は、
不動産鑑定士に報酬を支払って、明確な価格算出根拠を出してもらうといいでしょう。
方程式があるわけではありませんが、優秀な不動産鑑定士であれば、
あなたが納得する価格とその理由を明示してくれるでしょう。