世の中に空き家が増えてくると、
それをどう活用しようかと考える新しいビジネスが生まれます。
空き家を活用して○○できないか、というのが基本です。
ただ私は不動産会社や建設関係の仕事ではありませんので、
不動産をお金の塊と見ています。
価格変動があり、換金しづらく、
小口化できない不便な金融商品のような位置づけです。
金融商品と位置付けると、他に何ができるのかがわかります。
例えば、価格変動。単純に需要と供給という視点だけで見てみますと、
日本の人口減少と少子化に伴い、住宅需要は減少します。
単身世帯が増えたところで、
マイホーム需要がでてくるかは別の話ですので、
長期的には右肩下がりのマーケットであると仮定できます。
次に換金性。売りたいその日に売れるものではありません。
例えば預金はその日に換金できます。
株式や投資信託でも売買指図から出金まで1週間あれば可能です。
生命保険も1~2週間あれば換金可能です。
一方不動産はどうでしょう。
即売できる物件から、何年かけても売れ残り、
不動産会社にお金を払って引き取ってもらうようなことが起きています。
お金を払って引き取ってもらうということは、
資産価値がないゴミと同じであるという事です。
自治体のゴミ袋を有料で買ったり、
産廃業に産業廃棄物を有料で処分してもらうのと同じです。
実際は、処分業者が上手く料理することで
負動産を資産に変えることができたとしても、
見た目は廃品なのです。
不動産が資産だと考えると、安値処分がもったいないと感じますが、
廃品と考えればさっさと引き取ってもらい、
管理コストと保有コスト、保有リスクを手放すことは合理的と言えます。
小口化できないのも特徴です。
もちろん分割することは技術的には可能ですが、
それなりの経費がかかりますし、
広さ制限など売買に制約がでてくることで
分割イコール資産から死産になってしまうこともあります。
このように考えると、保有メリットが無い感じがしますね・・・。
空き家の維持で可能なことは、思い出を守るくらいでしょうか。
合理的に考えるならば、さっさと換金して金融商品に投資したほうがいいかもしれません。
超低金利やマイナス金利の昨今ですが、
増やすことのできる金融商品はまだあります。
法令の関係で具体的な商品には触れませんが、
探す技術と判別する知識があれば投資対象はたくさんあるんです。
田舎の2,000万円の価値の家を保有します。
毎年帰省も含めて20万円かかるとしたら、
20年保有で400万円だと価格の20%。
固定資産税1.4%×20年=28%。
合計で50%が維持・管理・保有コストとしてかかります。
20年で50%ですから、40年で100%。売らないことによる損失もばかになりません。
これを、例えば分散投資で単利7%で運用できれば、
40年で280%の運用です。
プラスの280%とマイナスにならなかった100%を合計すると
380%。あなたなら空き家を保有しますか?処分しますか?