住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
任意売却した時の税金の注意点①の続きです。
金融機関からの借り入れがある場合でその債務が払えず、
なおかつ、不動産を売却しても債務超過で借金が残る場合は、
ついつい
「売却しても利益が出なく借金が残るのだから税金はかからない」
と思ってしまいがちです。
手元に利益が残ったら、税金を払う。
と思っていたら大間違い。
譲渡所得税というのは、簡単に言うと、
買った金額+経費
から
売った金額+経費
を引いて、
から特別控除額がある場合は差引き、
利益がある場合に課税されるのです。
※そこに借金があるから、借入返済があるから、
利益が出ないということは考慮されないのです。
(一定の要件を満たす場合は除く)
でも、
どうしても借金が払えず、法的整理などで債務整理に伴う、
任意売却の場合はどうなるんでしょうか?
せっかく債務整理をしても多額の税金が課税されてしまうのであれば、
債務整理(自己破産)をして債務の整理が出来ても、
税金が払えずにどうしようも無くなってしまいます。
そういった場合、
所得税法(第9条1項10号)によって、
所得税がかからない要件が定められています。
所得税法第9条1項10号
1.次に掲げる所得については、所得税を課さない。
十 資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号(定義)に規定する強制換価手続きによる資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得。
とあります。
ここで言う、強制換価手続きによる資産の譲渡とは、なんでしょうか。
①売主が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合において強制換価手続きによる資産譲渡。
②強制換価手続きによらない場合でも、売主が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、かつ強制換価手続きによる執行が避けられないと認められる場合における資産譲渡。
があげられます。
つまり、↓
①競売による売却。
②競売が避けられない場合の任意売却。
が考えられます。
その場合は、譲渡所得に関する所得税が課せられない場合があるということです。
「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」
ということが重要なポイントになると思いますが、
債務整理に伴う、物件の任意売却の場合は、
あとから多額の税金が課せられ、
「こんなはずじゃなかった!」とならないようにすることが大切です。
まずは、
任意売却をした場合に譲渡所得税がかかるのか?
ということを不動産業者や税理士、弁護士などの専門家に
相談することをおすすめします。