住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
に続き②です。
需要の多さは、現場で相談を受けるのとして、前回書きましたが、
そんな現場の需要に対して、
融資実行率が低い。
というよりも、
申込みできる段階までいかない。。
という方が多いと感じます。
その理由としては、
まず、私のところに来られる相談者さんの多くは、
自宅に住宅ローンなどの担保がついており、
それがオーバーローン状態である。ということが挙げられます。
これだと、まずリバースモーゲージは難しいです。
なぜなら、リバースモーゲージの融資は不動産に1番根抵当権で担保をつけるため、
他の住宅ローン分を完済もしくはリバースモーゲージに借換えて頂く必要があります。
オーバーローンだとまず無理ということなります。
住宅ローン残高が少ない方は、毎月の返済額を少なくできるので、
リバースモーゲージに借換えて住宅ローンを完済するという利用をしている方もいますが、
リバースモーゲージには団体信用生命保険が付かないので注意が必要です。
でも、
「住宅ローンが無い」「無担保」状態の方でも、
中々厳しい現状があります。
リバースモーゲージの3大リスクと言われているもの。
1.長生きリスク(借入資金が底をついてしまう)
2.不動産価格変動リスク(担保評価が低い)
3.金利変動リスク(返済額が上がってしまう)
がありますが、2の不動産価格変動リスクがあるように、
問題①「担保評価が低く、思ったほど融資金額が得られない。」
という現状があります。
大体、金融機関が不動産を評価した金額の、50%~70%しか融資が出ないのです。
そして、そもそもその金融機関が出す評価というのも、市場価格よりも
低いことが多く、「土地」のみが評価対象で「建物」は見られないという現状があります。
つまり、市場で売ったら3,000万円で売れる物件ですが、
銀行の評価が2,500万円で出たら、リバースモーゲージで借りられる金額は、
そこから50%の1,250万円。。となってしまいます。
地域や物件の種類によっても対象外となることがあるため、
中々ハードルが高いです。
問題②「年金などのある一定の収入が無いと審査が通らない。。」
というケースも多いのが現状です。
若いときに自営業等で年金を払ってこなかったから、無年金。。
自宅はあるから生活資金で借りたい。
というケースは、審査が厳しいケースがほとんどです。
また、不動産の担保価値はあるけれども、年金収入が少ないので、
融資対象外となってしまうケースもあります。
一番需要が多いと思われる生活費に充てたいという需要にマッチしていない気がします
問題③「相続人の反対」
相続人全員の同意が必要ということが条件のところも多く、中々承諾が取れないというケースがあります。
金融機関にもよりますが、物件所有者の死亡後に売却して返済してもらうというケースがほとんどで、
もしその時に物件の価値が融資金額を下回る場合は相続人が返済しなくてはならないということもあり、
相続人はもちろん、契約者も相続人に迷惑をかけたくないという希望があります。
また、相続人に連帯保証を求めるところもあり、それは無理だということになります。
リバースモーゲージは、高齢者の住まいに固定化された資金が、
現金化されることで、子に頼らずに自立した生活を送れることや、
消費活動も活発となることで高齢社会における経済効果も見込めると思います。
でも、現状は中々厳しいということです。
それは、
建物評価が法定耐用年数でしか評価されないという日本の不動産の評価方法にも
問題があると思います。
また、
金融機関もリスクがあるので、担保評価が低くなってしまうのは仕方がないという現状があります。
返済時に担保割れが起こっても相続人に返済義務が生じないノンリコースローンにし、
それに対しては国が支援し、ある程度の保証が確保できれば変わっていくのではないかと感じます。
③では、現状の各金融機関のリバースモーゲージの商品内容について、
比較してみたいと思います。