住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
遅くなりましたが、
2017年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今年最初のコラムということで、
私の専門分野である、競売、任意売却等の不良債権不動産について、
2017年はどうなるのか?
ということを書いてみたいと思います。
(あくまで私の個人的意見です)
よく、
「任意売却や競売の相談って増えてますか?」
と聞かれます。
私は、主に物件の所有者さんからの相談を受けることがほとんどで、
その多くは、その不動産を担保にお金を借りています。
住宅ローンや事業のローンなど様々です。
また、その支払いができなくなって、差押や仮差押等がついていたりと
「不動産を売らなくてはならない状況」
だったりします。
不動産を売れば、全額債務が返済できれば良いですが、
そうもいかない場合は、その債権が不良債権となり、
競売や任意売却などで不動産を売却して返済に充てるということになります。
返済しても債務が残こる場合も多々ありますが、
法的に整理したり、私的に整理したり、債務整理の方法も様々です。
東京オリンピックが決まってからは、オリンピック景気の影響で、不動産が高騰し、
競売市場も高騰しています。
ひと昔前までは、「競売不動産は安く買える」
と言われていましたが、今は都心部などは本当に高くて、競売で物件を落札するのが困難な状況です。
また、競売申立件数も数年前までは、6~7万件でしたが、
3万件前後とかなり減っています。
これって、不良債権の不動産が減っているの?
景気が良くなっているの?
と思われがちですが、そうとも言い切れません。
現に私のところに来ている相談は、減っているというより、増えています。
では、なぜ、競売件数は減っているのでしょうか?
その理由は、大きくわけて2つあると私は考えます。
1.2015年3月に終了した中小企業金融円滑化法の影響で、
金融機関がすぐに不良債権化せずに、リスケジュールなどに応じるようになった。
2.任意売却の普及の影響で、競売になる前に任意売却で処理されていることが多くなった。
という2点があげられます。
1.の法案の影響で、すぐに競売になるということが大幅に減ったと思います。
2.は任意売却の情報網が充実し、任意売却を行う不動産業者さんも増えました。
金融機関からも住宅ローン等の債務の滞納があると、早期に任意売却をすすめてきたり、
案内などを送ってくれたりします。
さて、
話がそれてしまいましたが、2017年の不良債権不動産は、どうなるのか?
1.競売申立件数は、ここ数年と同じく3万件前後を推移し、競売不動産市場の高騰が続く。
2.競売の前の任意売却物件は、競売不動産の高騰により、債権者である金融機関が
高値での取引を希望するため、市場価格を下回ることは少ない。
3.バブル時やバブル後に住宅ローンを組んだ65歳以上の住宅ローン破綻が増え続ける。
4.低金利の影響で、フルローンで身の丈に合わないローンを組んでしまう、
低金利破綻予備軍が増え続ける。
5.不動産投資需要は昨年同様多く、物件不足、利回り低下の煽りを受け、
目先の利益に飛びついて購入してしまう一般投資家の破綻予備軍が増え続ける。
6.損切物件は売却のチャンス。売り時は2017年まで。
と私は予測します。
景気が良くても、悪くても、無くなることのない不良債権不動産。
その時代で色々な傾向がありますが、バブル時のように
2017年は、
不動産市場の高騰や低金利の影響で、
将来の不良債権不動産を増やすことになるでしょう。