皆様、こんにちは。前回の続きです。
ところで、空き家に限らず古い建物の活用方法については、改修をするか一度壊して新しい建物を建てるか悩ましい場面が多いように思われます。
そういえば、昨年の6月にJR原宿駅の改修工事が発表されました。原宿駅の駅舎といえば都内最古の木造駅舎(1924年竣工)として有名で、尖塔付きの屋根に白い外壁という西洋風のデザインが特徴的です。JRの発表では建物の老朽化、外国人観光客の増加による駅の利便性向上等の理由で駅舎を全面改修するとのことでしたが、趣のある駅舎を壊してしまうのはもったいないとのことで地元を始め様々な人から保存要望が上がっているとのことです。木造駅舎については保存するのか取り壊すのかは決まっておらず、今後の動きが注目されます。
また、私は仕事で埼玉県飯能市に行くことが多いのですが、飯能にも情緒あふれる素敵な建物が多く残っています。その中に飯能織物共同組合事務所というのがあります。
この建物は木造総2階建て、寄せ棟、瓦葺きで1922年に竣工されました。外観は下見板で西洋風ですが、屋根は瓦葺の和風で鯱が載っており、和洋折衷のモダンな作りとなっています。この建物も今後保存を目指して活動を行っていると先日の新聞に載っていましいた。
古い建物は現在の状況(例えば、日本人の体型(身長)の変化や法令上の規制など)と合わなくなっている場合もあり、そのままの状態で利用を続けるのが困難なことが多々あります。しかし、だからといって歴史的・文化的に貴重な建物を破壊して無機質なコンクリート造りの建物を作ることが果たして日本の将来のために良いのかどうか、また、街全体の美観なども考慮して残しつつも新しい利用の方法を模索していく必要があるように思います。