さて、前回の続きで、地名が地価に影響を与えることが多い理由について考えてみたいと思います。
そもそも、日本という国は災害大国とも言われるように、はるか昔から頻繁に台風や地震などの天災に見舞われてきました。そのような災害の被害に何度も遭っている地域については、先人が災害を暗示し、今後被害に遭わないようにその土地に特別な名称を名付けるということがしばしば行われてきました。(東日本大震災の時には、「過去の津波の災害伝承が継承されている地域では津波による人的被害が少なく、災害伝承が途絶えた地域では同じ災害を繰り返した。」と言われていたのは記憶に新しいところです)。地名の由来を調べれば災害を予見することができ、自らの身を守ることができるという点で、地名は、先人から現在に生きる我々への大切なメッセージであるということもできます。
ただ、前回も書いたとおり、近年では、地価を上げるため地名の改ざんが行われている例がたくさんあり、「○○台」や「○○ヶ丘」、「○○野」等という名称が付いているからといって必ずしも安全とは言い切れない場合もあります。
ところで、地図を見ても必ずしも新地名しか載っておらず、旧地名が載っていない場合が多々あります。
その時に旧地名を調べる方法としては、法務局で登記事項証明書や閉鎖登記簿を取得したり、国会図書館や地域の資料室に足を運んでみる、などがあります。
最後に、「幽霊坂」という名称が地価に反映されるかどうかですが、「幽霊」が持つ「負」のイメージ(縁起が悪い)を重視すると価格が下がる可能性があるかもしれませんが、最近では妖怪(幽霊)ブームもあることから直接的な影響はないものと思われます(逆にインパクトがあって高くなるかも?!)。
因みに、神田駿河台の幽霊坂は現在、すぐ傍に高さ約110mの御茶ノ水ソラシティがそびえたっており、明るい雰囲気でとても幽霊が出る感じではありません。柳の一本でも立ってると風情があるのですが。。。