私は、仕事で様々な場所に行くことがありますが、訪問した先の土地の地名などにとても興味があります。
ところで、東京に「幽霊坂」という、ちょっとばかりおどろおどろしい地名があるのをご存知でしょうか?実は、「幽霊坂」は都心に14箇所も点在しています。今回はそのうちの一つをご紹介。
千代田区神田駿河台のニコライ堂北側(最近では御茶ノ水ソラシティという複合施設が立ち、非常ににぎわっているエリアです。)には「幽霊坂」があります。
幽霊坂の歴史は古く、元々、紅梅坂と一続きだったのですが、大正13(1924)年の区画整理で本郷通りができたため、坂が分断され、紅梅坂と幽霊坂に分かれました。明治中期から末期にかけてまとめられた東京の地誌本である『東京名所図会』によりますと、「紅梅坂」は「往時樹木陰鬱にして、昼尚凄寂たりしを以って俗に幽霊坂と唱えたりを、今は改めて紅梅坂と称す。」というふうに書かれています。毎夜幽霊が実際に出たかどうかは定かではありませんが、幽霊が出そうなくらい暗く鬱蒼とした寂しい場所であることがうかがい知ることができます。
ところで、土地の価格については、旧地名で「水」に関わる名称(そのほかにも「沼」や「蛇(以前、東京都目黒区に『蛇崩(じゃくずれ)』という地名がありましたが、『昔、洪水の際に崩れた崖から大蛇が出てきた』という言い伝えが残されています。)」などもあります。)が付けられている場合、地価は一般的に地価が安くなるという話を聞いたことがあります。逆に「台」や「丘」などは災害の被害をあまり受けないことから地価が高くなるそうです(但し、新興住宅街に多くある「○○台」や「○○ヶ丘」、「○○野」などは、不動産業者が地価を上げるため勝手に命名したものが多く、旧地名とは全く関係がないことがあります)。
それでは、なぜ地名が地価に影響が出てくるのでしょうか?次回はその理由について考えてみたいと思います。(続く)