LGBTのライフプランニング・サポートを手がけ、自身もゲイであるIRIS須藤あきひろ代表に、不動産や住宅の現場で感じる問題点を紹介いただきます。(リビンマガジンBiz編集部)

弊社にお問い合わせいただくお客様の9割は、同棲orルームシェアの希望者です。
中には「初めて同棲」「初めて実家を出て生活をする」という方もいらっしゃいます。
そういった初めての方の場合、生活イメージが湧かないことも多いので、どんな間取りがいいのか質問を受けることもたくさんあります。


(画像=写真AC)

複数人で住むルームシェアの場合は、例え家賃削減のためのルームシェアであっても、それぞれのプライバシーが守られる部屋があった方が良いと思います!

しかし同棲となると、「好きな人となら狭い部屋でもいい」と思う方が結構います。でも私は2DK以上をお勧めしています。

理由は、たとえ好き同士であっても「一人になれる空間も重要」だと考えるからです。
20代30代は様々なライフイベントが発生します。そういった時期に「自分だけの時間」を取れる環境はとても大事です。

あとは、私の個人的な経験ですが、恋人と長く付き合っていれば、多少の喧嘩をするときもあります。
そんな時に、例えば1Kで部屋が1つしかないと「避難先」がありません。実は私が20代前半の頃に同棲をしていた際は1Kに住んでいて、喧嘩をするたびにトイレに避難してました。
その時に「あー部屋がもう1つあればなー」とよく考えたものです。

 
※引用元:http://suumo.jp/journal/2014/02/27/58826/

このグラフは、スーモブライダルによる「同棲カップルはどんな間取りに住んでいる?」のアンケート結果です。
約半分の方が「2K/2DK/2LDK」ですね!
ベストなのは2LDKですが、その目安となる広さ50㎡を超えるような物件は、都内には少ないです。また、あったとしても割高になってしまうので、少し広めの「1DK/1LDK」を選ぶ方も多いのでしょう!


※引用元:http://www.nhk.or.jp/d-navi/link/lgbt/


続いてこのグラフは、2015年にNHKが行った、LGBTsがパートナーとの同居に関する調査結果です。「LGBTsカップルの45.4%が同棲している」という結果が出ました。
私が思っていたよりも同棲している割合が高かったのでびっくりしました。
LGBTsの多くは同棲をしています。では皆さんは具体的にどういった間取りに住んでいるのでしょうか?

次に弊社のお客様事例の紹介をします。


(画像提供=須藤代表)

この物件は東中野駅から徒歩1分ほどの新築物件でした。
この部屋に住まれている方は外国籍と日本人カップルでした。LGBTsと外国籍のダブルマイノリティーということもあり、なかなか部屋が決まらず、この部屋に出会うまで半年ほど時間がかかりました。
ですが、最後には気に入っていただける物件に出会えて本当に良かったです!

(画像提供=須藤代表)
この物件は上板橋駅から徒歩6分ほどの物件です。
初めて実家を出て、パートナーと同棲をしたいとのご希望でした。
この物件はリノベーションされたばかりで、内装がとても綺麗で、日当たりも良くて本当に良い部屋でした。
1DKタイプの部屋ですが、女性2人にはちょうどいい広さでした。


(画像提供=須藤代表)

最後にこの物件は東中野駅から徒歩5分ほどの物件です。
お互いゲイですが、恋愛関係にはなく、ルームシェアのため「それぞれのプライベート空間を確保したい」とのご希望で、部屋が離れているこの部屋はベストでした!
共有スペースのリビングも広いのでソファーやテレビを置いて、時間が合うときは一緒に時間を過ごすこともあるそうです。
5.8畳のお部屋は少しいびつな形をしていますが、個性的で面白いと気に入ってもらえました。

弊社で、部屋をご紹介させていただくお客様にほぼ共通しているのが同棲の場合でも「プライベートな空間も重要視」している、ということです。

そのため部屋同士が離れている間取りの方が、人気があると感じます。
お引越しは費用も大きく発生するので、いっときの感情で盛り上がって勢いで部屋を借りるより、じっくりと腰を据えて、落ち着いてお部屋を選ぶ方が増えているように思います。

次回は「パートナーと最期の瞬間」について書いていきます!

 
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