愛煙家には何かと肩身の狭いご時世だ。
国会で審議中の健康増進法改正で、これまで分煙でごまかしてきた
飲食店でも原則禁煙になっていくという。

そもそもタバコの価格のうち6割以上が税金だ。
タバコを買って、せっせと国庫に納税している愛煙家にだけ、
なぜこんなに冷たい仕打ちが続くのか、嘆きたくなる諸氏は多かろう。


しかも住宅業界には、愛煙家だけが支払う負担がある。
もう一つの「税金」ともいえる住居のリフォーム負担についてまとめた。

賃貸住宅では、入居者が契約終了で退去する際に原状回復工事を行う。
原状回復とは、部屋内の劣化のうち入居者の故意・過失で発生した損耗を復旧する作業だ。
リフォームに掛かる費用は、入居者が負担するものになっている。
一方で、通常の生活で発生する損耗は家主負担と決められている。
家具の設置で付いた床のへこみや冷蔵庫使用による壁紙の電気焼けなどが、これにあたる。

そして、不注意でつけた床の傷や扉の故障と並んで、
タバコによる壁紙の変色も入居者負担とされているのだ。

もし、あなたが部屋で定期的にタバコを吸っているのなら、
部屋の退去時に壁紙を張り替える費用を払うことになる。

こんなに違う喫煙者の原状回復費用

原状回復リフォームのトップG JAPAN(新宿区)に、喫煙の有無でリフォーム費用に、
いくら位の差が出るのか聞いた。

もしリビングでタバコを吸っていた場合なら、
「壁紙を全面張り替えないといけないので、
1K6畳のアパートだと約8~9万円の費用が掛かってくる」という。

壁紙を汚さないように気を付けて換気扇の下で吸っていても
「換気扇では全てを吸いきれるわけではないので、色が変わっていなくても
染み付いた臭いで分かる」らしい。
管理会社や大家からもお見通しだという。

それでは、タバコを何本くらい吸うと壁紙が変色してくるのか気になる。

しかし、タバコメーカーや壁紙メーカーに問い合わせたところ本数まで分からないとのこと。

しかし、壁紙メーカーはタバコのヤニ汚れが落ちやすい壁紙を販売している。
そういった壁紙だと汚れも簡単に落とせるらしい。
だが、一般にマンションで使用される壁紙と倍近く値段が変わってくるので、
ここでも「税金」が掛かってしまう。

ベランダでの喫煙にも壁

リビングはダメ、換気扇の下でもダメ。
部屋内に残された場所はベランダだけだが、実はここにも問題がある。
ベランダは入居者の専有部ではなく、他の入居者との共用部なのだ。

ベランダでの喫煙により副流煙が隣の部屋に流れてくるなどするため、
ベランダを含む共用部での喫煙を禁止するマンションも少なくない。

もはや、喫煙者にとって自宅ですら心置きなく紫煙を燻らせられる場所ではないのだ。

ここまで嫌われる喫煙者。
それでも、あなたはタバコを吸いますか?

 
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