吠えない、散歩がいらない、食費もそんなにかからない。
3ナイ揃った、飼いやすさもあって猫がブームだ。
これまで圧倒的な差があった犬と猫の飼育頭数の差が年々と縮まっており、
2017年1月の発表では犬が約987万8000匹に対して、
猫が約984万7000匹まで迫っている。
一般社団法人ペットフード協会が17年1月に発表した。
数年以内に猫が犬を逆転するといわれている。
一方で、猫が飼える賃貸住宅は少なく、全体の約5%ほどといわれている。
不人気物件の空室対策として猫マンションを提案する
『ねこべや.com』運営のリックス・ジャパンに話を聞いた。
猫が飼える賃貸は5%しかない!?
リックス・ジャパンでは、これまで約100室を猫共生物件として生まれ変わらせきた。
猫が上りやすいようステップや専用のハンモックを設けるほか、
傷がつきにくい床と壁紙などを使って改修する。
10万~30万円ほどで改修できるため、
大規模なリノベーションや設備交換に比べ低価格での空室対策として人気だ。
リフォーム後の物件は同社で運営する「ねこべや.com」などで募集し、
仲介まで面倒をみる。
自身も猫好きで、2匹の猫と暮らす同社の伊達彰さんによると、
「不動産ポータルサイトでペット飼育可能な物件を探すと、全体の5%ほどしかない」といい、
物件の特徴をだすために有効だという。
特に少ないのが、3匹以上のネコが飼える「多頭飼い」が可能な物件だ。
実際に、同社で仲介する際も飼っている猫が複数匹になると、
敷金が増えたり入居拒否が増加したりする。
「3匹以上になると猫のストレスになるので、25㎡以上の広さが好ましい。
ただ家猫として飼う上で頭数はあまり関係ない」という。
不動産業界側がペットへの拒否感が強く、ニーズに追い付いていないのだ。
(ねこべや.comを運営する伊達さん)
犬に比べて格段に飼いやすい
猫の飼育比率が増す理由として飼いやすさがあげられる。
家猫として屋外に出さずに育てれば犬のように散歩は必要なく、
吠えることもないので騒音がトラブルになることもない。
犬に比べて近隣とのトラブルは少ないという。
さらに毎月の支出も犬が平均8136円なのに対して、
猫は平均5435円と低いのもプラスに働く。
今後も猫飼育比率が増加するといわれている。
(猫のためのステップ)
問い合わせの半数以上がアラサー女性
ちなみに「ねこべや.com」へ問い合わせてくるユーザーの
実に6~7割が20代後半から30代の一人暮らし女性だという。
やはり飼いやすいペットとして、認識されているのだろう。
先述のペットフード協会の調べによると、
飼い主が猫一匹あたりに使う金額は増加傾向にある。
同社では猫共生マンションなどの需要も、
今春をめどに売買マンションでも猫共生リフォームを始める予定だ。