みなさま、こんにちは。相続コーディネート実務士の曽根惠子です。
「相続相談の現場から」として、相談に来られたお客様の事例をご紹介いたします。

今回は60代・男性のKさんが、自分の節税対策のことで相談に来られました。

◇所有ビル10棟
Kさんは60代男性。同年代の妻と子供は3人。息子2人と娘1人です。
Kさんは、本家に跡継ぎの子供がいなかったため、養子縁組をする形で多くの土地を相続しました。
養父の代から貸しビル業を始めていましたが、Kさんの代になった昭和50年代以降、所有物件を増やし、
安定事業に成長させたということです。
現在の所有ビルは10棟あり、すべて法人名義です。購入資金の借り入れが残っていますが、
年間の賃料収入から返済ができ、相当な家賃収入が残るバランスになっています。

◇会社は長男に承継
かつては金融機関柄借り入れ額が多く、返済に追われることがありましたので、できるだけ
借り入れ返済を進めてきましたので、今では家賃収入から返済をした残りで役員報酬などが賄える
バランスになっています。
このままでは会社の株価が高くなると考えたKさんは、資産所有する会社を退職して退職金を払い出し、
株価を下げたところで、長男に会社を承継させました。
会社の事業承継は成功したので、やれやれと思ったところ、退職金などまとまった額の預金が銀行口座にあるため、毎日のように保険や投資信託や投資の勧めがありとてもわずらわしくなっていました。
果たしてこのままでいいのかと相談に来られました。

◇まとまったお金が残ったらまだゴールではない
多額の現金があるということは相続税がかかったとしても払えますので、何の問題もないように思えますが、そのままでは相続税の節税はできません。
預金の3分の1は相続税で減ってしまうのです。
Kさんにもそうした説明をしたところ、いまからできる対策をしておきたいということで「オーダーメード相続プラン」の委託を頂きました。
これから具体策を提案していきます。


◆相続コーディネート実務士から◆
預金が残れば安心ではありますが、苦労して残してきた預金が減ることは残念なところ。
どうせなら、自分の意思で方向性をつけておくことをお勧めします。

◆ポイント◆
・退職金を払い出すと株価は下がるので承継させやすい。

・現金が残ると節税にならない、再対策が必要。

 
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