みなさま、こんにちは。相続コーディネート実務士の曽根惠子です。

「相続相談の現場から」として、相談に来られたお客様の事例をご紹介いたします。

今回は40代・女性のMさんが、父親の相続手続きのことで相談に来られました。

◇母親が再婚、異母きょうだいがいる

Мさん(40代・女性)は、父親が母親(80代)と再婚したため、父親の先妻の子となる異母きょうだいである

兄と姉がいます。母親の実子としては一人娘です。

父親が亡くなったときは、母親と子供3人で相続をしていますが、20年以上前のことで、Мさんは大学生。

母親が中心になって手続きをしたようです。

母親が大部分を相続したようですが、先妻の子二人にも現金を分けたと聞いています。

◇先妻の子供から養子縁組を迫られた

あるとき、母親の様子がおかしいことがあり、問いただすと異母兄姉から養子縁組をしてもらいたいと迫られ、

断れる雰囲気ではないため、承諾したというのです。

母親はすでに80代ですので、相続のことも考えておきたいとMさん夫婦で相談に来られました。

母親の財産は父親から相続した自宅ビルとアパートで、家賃収入が入ります。

その他に父親が始めた会社も引き継ぎ、運営してきました。

父親の会社は異母兄も手伝っており、母親が高齢になったことから、代表者は母親から異母兄に代わっています。

会社は母親の所有するビルの一角を使っているのですが、家賃は払わず、無償でフロアを使ってきたばかりか、

会社の売り上げが少ないと言っては他のフロアの家賃を会社に入れさせるようにしてきたのです。

◇遺言書で実子を守る

母親の気持ちは、父親の相続で財産を渡していること、アパートを先妻の子に渡して、自宅ビルはМさんに

相続させたいと、固まっているということです。

養子縁組をしなれば、実子のМさんが全部を相続できるところ、三人が同等の権利となり、3分の1だけになっています。

Mさんは40代ですが、異母兄姉は50代で、一回り以上も違います。

母親も強く言える性格ではないため、何事も押され気味で、Мさんだけになれば2対1で、なおさら不安になります。

そこで、母親の意思のとおりに公正証書遺言を作成してもらうことができ、とりあえずは一安心されたのでした。

◆相続コーディネート実務士から◆

遺言書は遺留分に抵触しない内容になっており、異母兄姉からは守られます。

意思を残してもらうことで不安が解消できます。

◆ポイント◆

・遺言書があれば法定割合の半分が遺留分

・養子縁組の解消は双方の合意が必要

 
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