“健康長寿時代” 不動産と僕らの人生。
シリーズ第8回目となりますが、今回も「住まいのイメージ」の中のお話です。
前回は「持ち家なのか、賃貸なのか」についての比較でしたが、今回は「新築住宅なのか、中古住宅なのか」についてポイントを整理してお伝えしていきたいと思います。
やっぱり新しい家っていいですよね。
でも、お金がかかる・・・。
それじゃ、中古の家にする?
誰かが住んでいたのはイヤ・・・。
新築住宅がいいのか、中古住宅がいいのかは、「持ち家VS賃貸」と同じく、それぞれのご家庭の住まいについての価値観と家計面の考え方に左右されます。
ポイントを整理してみます。
(1)住まいについて考える
新しい家は新築なので綺麗です。
ここから家族の新しい歴史がスタートすると思うと希望で胸がいっぱいになります。
子どもの部屋をどうしようか、家族団らんのスペースをどうしようか、キッチンは?、お風呂は?
新築住宅には家族の将来の暮らしを想像する要素がたくさんあります。
一方、中古住宅の場合、以前、誰かが住んでいたという、少しマイナスのイメージが初めからついてしまいます。
でも、そんなことは気にしない。
なぜならば、リフォームやリノベーションにより、中古物件でも新築同様、ご家族に合った住まいに様変わりさせることができるからです。
むしろ、自分たちで住まいについて「ああしよう、こうしよう」と話合い、新築物件に比べ家族の絆が深まりやすいかもしれません。
この点については、家族のあり方につながる話なので、新しい家がいいのか、中古がいいのかには、そう違いがないとも言えます。
(2)購入費用
もちろん新築物件は中古物件と比べ価格は高くなっています。
中古住宅は中古車や古着などと同じく使用済み物件になるので、新築住宅よりは価格が安くなります。
目安的には、地域やメンテナンス状況により異なりますが、たとえば築10年の中古住宅ですと、新築住宅のおおよそ6割台から8割台になるでしょうか。
新築の資産価値は建てた後、すぐに下落していきますが、20年~25年で資産価値がほぼなくなります。
このようなことから、築10年の中古物件でも、建物の価格が半額になるケースもあります。
物件の購入価格で比べると、やはり新築の方が購入費用が高くつきます。
ただし、購入に際してはどれぐらいのメンテナンスが必要になるのかも含め、価格の検討をするようにしましょう。
耐震構造はどうなのか、外壁の塗り替え、屋根の補修、お風呂やキッチンなど、老朽化しやすい箇所はチェックポイントです。
売主が大切に住まわれていたお家ならメンテナンス費用は少額で済みますが、ほとんどメンテナンスしていないお家の購入となると最終的に新築にした方がよくない?ということになりかねませんので、目利きをしたうえで検討するようにしましょう。
メンテナンス済みの物件を購入するのが一番ですけどね。
(3)税金など
不動産を購入すると「不動産取得税」という税金がかかります。
新築の場合、一定の要件を満たせば固定資産税の評価額から最大で1,200万円まで控除されるようになっています。
中古住宅については築年数により控除額が異なっていますが、現行の制度では、1997年4月1日以降に建てられた物件の場合、控除額が1,200万円までとなっているので、中古物件を購入する際は、税額面でも築何年なのかは重要なポイントになります。
次に「固定資産税」ですが、こちらも新築・中古にかかわらずかかってきます。
新築住宅の場合は特に、一定の要件を満たした場合に通常の税額の半額になる制度もあるので、優遇度としては中古住宅よりも高いと言えます。
また、不動産の登記にかかる「登録免許税」ですが、土地の所有権移転登記や建物の保存登記などで必要になってきます。
こちらも軽減制度がありますが、新築の方が中古の場合と比べ軽減度合いが高くなっています。
(4)出口戦略
新築の住宅を購入しても、中古の住宅を購入しても、どちらも一定の費用がかかります。
どちらかというと中古物件の方が初期費用の総額は少ないと言えますが、老後、住み慣れた家をどうするのかについても併せて考えてみるようにしましょう。
新築の場合、老後の家は中古物件になります。
中古住宅の場合、老後の家は、さらに中古物件になります。
売るのか、メンテナンスをして住み続けるのか、誰かに貸すのか、取り壊して別の場所に引っ越すのかなど、未来のことは不確実なことが多いですが、ライフプランをもとに住まいのプラニングをしながら、新築なのか、中古なのかを検討するのも大切なポイントと言えます。
大雑把にまとめると、次のようになるでしょうか。
①新築よりも中古の方が購入コストは少ない
②ただし、出口戦略まで考えた場合、長期の運用コストがかさむこともありうる
ということで、あらかじめライフプランを立てたうえで、マイホームの購入プランを作成してみる。
その過程でどんな住まい像がいいのかが見えてくるので、終わりも含めしっかり検討していきましょう。