こんにちは!
CFP・税理士の白根壽晴です。
弊社近くの赤坂サカスは、
春にはさまざまな種類の桜が咲き誇り賑わいますが、
この時期は綺麗なイルミネーションの優しい光に、心が癒されます。
さて前回は、「日本人は家計財産に占める不動産の割合が高い」という話でした。
どのような状況で不動産を保有していくかは、多くの日本人にとって大きな課題です。
平成28年の地価を見てみると、全国平均では、
住宅地はわずかな下落にとどまり、商業地は8年ぶりに上昇しました。
とはいっても、
大都市圏や再開発地域など将来的に人口増加が見込まれる「競争力の高い土地」と、
都市部から離れているなど将来的に人口減少の懸念がある「競争力の低い土地」とでは、
地価の二極化は顕著になっていくと考えられます。
不動産の価値を保全するには、その将来性を個別に検討して
「守るか」「処分するか」「活用するか」です。
そこで検討しておきたいのが、「資産の組替え」です。
低路線価の土地を処分し、今後も利用価値が高いと見込まれる高路線価の土地を購入するなど、
持っている土地の価値に応じて所有形態を組替えることを考える必要があります。
こういうことは、タイミングの問題もありますので、
日頃から検討しておいて、時期が来たら果断に行なうことが重要です。
競争力の高い地域にある土地ならば、
自分で自由にできる更地のままよりも、
アパートやマンションなどの開発を行って敷地を貸家建付地とすることで、
相続税評価額は低くなるので、相続対策としての効果もあります。
反対に、競争力の低い地域にある土地なら、
何もしなければその資産価値は低下していってしまいますから、
選択できる手段が多いうちに早めに実行することが大切です。
売却して金融資産にリバランスしたり、
人口が増加していく地域の不動産に買い換えたり、
不動産投資信託(REIT)を購入するなど、
何らかの対策が必要になります。
人口減少社会が現実になり土地神話が崩壊した現代において、
代々維持してきた不動産であっても、
資産価値保全のために手放す決断が必要なときもあります。
きっとご先祖も、時代の変化を理解されて、その判断を支持されると思います。
保有する不動産の将来をしっかりと見据えて、
ケースごとに賢明な判断を行なっていくことが欠かせません。