こんにちは!

相続に特化した不動産コンサルタントの清水 稔です。

平成27226日に「空家対策特措法」が施行されてから、約110か月が経過します。

 

空家対策措置法は、空き家が放置され、周辺の生活環境への影響を未然に防ぐ観点から、

空き家の中でも、

倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

著しく衛生上有害となるおそれのある状態

適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態

その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

の空き家を「特定空き家」と指定し、行政は、「特定空き家」に対する措置として

修繕・除却等の指導、助言、勧告、命令

命令に従わない場合は強制執行が可能

となりました。

また、「特定空き家」に指定されたまま11日を過ぎてしまうと、財政上および税制上の措置としては、固定資産税等の特例措置の対象から除外されてしまいます。

 

固定資産税・都市計画税は、通常、住宅やアパート等の敷地として利用されている土地(住宅用地)は一定の面積までは固定資産税の負担が1/6・都市計画税の負担が1/3になる特例があります。

しかし、上のいずれかに該当し、かつ自治体等から撤去や修繕の“勧告”をされた空き家等は固定資産税等の特例対象から除外となります。従来は利用目的のない空き家を放置していても、特例によって通常より低い税金しか課税されませんでしたが、今後は固定資産税が6倍・都市計画税が3倍になってしまう等、大きな支出増となりかねません。

 

また、空き家の発生を抑制するための特別措置として、相続人が、相続により生じた古い空き家(*1)又は当該空き家の除去後の敷地を平成2841日から平成311231日までの間に譲渡(*2)した場合(*3)、譲渡所得から3000万円を特別控除する制度も創設されています。

1被相続人のみが居住していたもの旧耐震基準の戸建て住宅等であり、相続を機に空き家となったもの。

2相続以降3年を経過する日の属する年の1231日までに譲渡した場合医に限る。

31のうち耐震性のないものは、耐震リフォームをした場合に限る

 

平成26年度の空家実態調査によると、居住用家屋が空き家となる契機としては「相続時」がもっとも多い(56.4%)とされています。

 

このように、相続で引き継いだ空き家は、税金面でも、固定資産税の負担が大幅に増えたり、譲渡所得の特別控除を受けられたりする、メリット、デメリットがあります。

 

これから年末年始を迎えるにあたり、親は、現在お住まいを将来どのようにご子息に引き継いだ方が良いのか、ご子息様は、将来相続される自分自身の問題として、また、新たに空き家を発生させないためにも、将来を見据えた修繕や売却、利活用の検討、遺産分割を考慮した対策等を、この機会にお家族でお話合いしてみるのもいかがでしょうか。


 
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