仕事とは何かを考えてほしい・・・
住まい専門の不動産コンサルタントの嶌田(しまだ)です。
不動産会社の担当者にとっての【売却】とはなんでしょうね?
売主が個人の方ではない場合、つまり不動産業者(会社)が売主の場合、価格交渉が直接、どなたかのご家庭の資金計画を狂わせるものではないですね。
売主の立場で考えても、価格交渉に罪の意識は恐らくゼロでしょう。
コラム「仕事欲しさに、理屈が破たんしている不動産査定」で取り上げた売主は、土地を相場以下で買い取り、建物を自社で建てて販売して利益を出す会社です。
だからといって、価格交渉により、売主の会社の利益をゼロに近づけていいのでしょうか?
あなたのご主人、奥様が給与ゼロで一ヶ月を終えて、何も感じずにいられますか?
価格交渉を成立させることが仕事となると、仕事=そこの社員の家庭の給与を減らすこと、ですよね?
もしくは、働き口が無くなることですよね?
不動産業界は、どうせ儲けているのだから利益を削ってもいいだろう
これは社会人として決して考えてはいけないことではないのでしょうか?
「家は、大きな買い物だから」
不動産会社に勤務していた時に、何回も耳にした言葉です。
この意味合い、その先に期待していることはお客様それぞれです。
「だから、ゆっくり検討したい、慎重に進めていきたい」
それで良いと思います。
「だから、価格交渉してくれたら買うよ」
私からすれば、「はぁ??なにそれ?w」です。
※今は、物件を仲介する仕事ではないので言われませんが。
「不動産に係わる人間には利益は最小限で良い」としか聞こえません。
まして、コラム「仕事欲しさに、理屈が破たんしている不動産査定書」の営業マンのように、業績欲しさに価格交渉を不動産会社の人間が自ら提案するなんて・・・
お客様の探し直しを前提に改善点の確認や、その他に提供すべき情報を考えるべきではないのでしょうか?
コラム「仕事欲しさに、理屈が破たんしている不動産査定」では、直ぐに売却すれば300万円儲かる内容の査定書という【お墨付き】を出していました。
もし、本当に中立に査定書を作成したのならば、二番手の購入申込者からの横槍を防ぐためにも、表示金額のままでの購入を勧めるべきでしょう。
不動産会社の役割は、お客様から「ここに住みたい」と言ってくださる数少ない、ご縁のあった物件を確実に手にしてもらうことだと私は考えます。