税理士の澤田美智です。

今回のテーマは「相続税は恐ろしい税金なのか?私が思うこと」です。

一体相続税って何なのでしょうか?

私は税理士ですが、今回は税理士としての立場ではなく、

一市民としての考えを述べさせていただきました。

私が個人的に思うのは、被相続人が一生懸命働いて貯めた

お金や(もちろん税金を払いながら貯めてきたわけです)

親から相続した財産(もちろん相続税を支払っている訳です)

を大切に守ってきた結果、その財産を受け継いだ子供たちが

相続税を支払う訳です。

それなら、一生懸命働いて質素な生活をして子供たちに

残してやろうと思って貯めることが果たして良かったのか?

という疑問を持ってしまいます。

所得税を支払い、固定資産税を支払い、親から相続をした

時には相続税を支払い、、、、

税金ばかり払っているのに、また税金ですか?

と言いたくなります。

同じ土地を持ち続けることで、相続のたびに相続税が課税

されます。三代で財産が無くなってしまう、という話も

頷けます。

富裕層の方は、相続税の恐ろしさを良く理解されているので、

極端な話、子供が生まれた時から相続税対策の対象となって

おり、相続税の対策をせっせとされています。

それと比較して、前回のテーマでお話ししましたが、税制改

正により新たに課税対象となった「準富裕層」の方々は、今

までは相続税の課税対象ではなかったため、ほとんど対策を

されていないケースが多いようです。

それこそ、質素倹約で財産を築いてこられた方だと思います。

政府の相続税に対する考え方は、「富の再分配」です。

もちろん富裕層はお金には恵まれていますので、その富裕層から

税金をとって、貧困に苦しんでいる人達に分配する、ということ

は理解できます。また、貧富の差を無くす、ということも目的の

一つとなっています。

しかし、一方では、働けるのに働かず、生活保護を受けて楽して

生きていこう、と考えている人たちが存在していることも否定で

きません。

また、いわゆる「準富裕層」と呼ばれる人たちから税金をとるこ

とに違和感を覚えております。本当にお金持ちなのでしょうか?

東京23区内の親の家を相続しただけで相続税がかかる、という実

態に疑問を感じています。

実は、この「準富裕層」の方々は、相続税対策をすることにより

相続税がかからなくなるケースが多々あります。

一人当たりの平均課税価格は、1億4,126万円ですが、「準富裕

層」のかたの課税価格の平均は、おそらく7,000万円前後だと思

われます。

相続人に配偶者がいる場合には、相続税はかかりません。

なぜなら、配偶者取得する遺産には、1億6千万円まで相続税が

かからないからです。

つまり、配偶者が遺産を取得しないで子供が取得した場合に、

相続税がかかります。

基礎控除額は

3,000万円 + 600万円×法定相続人の数 

ですから、子供が一人であれば、3,600万円となり、子供が二人

の場合には、4,200万円となります。

この基礎控除額を超えた金額が、課税対象となります。

ただし、土地については、いろんな特例があり、80%減額できる

特例もあります。

この特例については、土地の路線価が高ければ高いほど効果的と

なります。つまり、東京23区内の土地であれば、路線価が高いた

め、330㎡まで特例を適用できれば、かなりの節税となり、相続

税もかからなくなるケースが多いです。

この特例の適用を受けるためには、生前の対策が必要です。亡く

なってからでは手遅れです。

超お金持ちの方にとっては、そんなに大きな節税ではないかもし

れませんが、「ひょっとしたら相続税がかかるかも」と思われる

方にとっては、大きな節税となります。

このような方にこそ、生前の相続税対策をぜひともしていただき

。ご両親が大切に守ってきた財産を是非残してただきたい。

これが、私の願いです。

次回は、「遺言書と相続分」についてです。

 
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