こんにちは、
相続士・ファイナンシャルプランナーの
澤田朗です。
今回は相続とマイナンバーについての2回目のお話です。
こちらについてはまだ実施されていないのですが、平成30年1月から銀行等は、預金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理する義務を課される予定です。これは、国税当局からの照会に効率的に対応することができるようにするためのものです。預金者は、銀行等からマイナンバーの告知を求められることになりますが、法律上告知義務はありません。ただし、告知状況をふまえて、「必要と認められるときは、預金口座への付番促進のための所要の措置を講じる旨の見直し規定を法案の附則に規定」となっていますので、すべての預金口座がマイナンバーで管理される日もそう遠くない気がします。
また平成30年12月31日までに、すべての証券会社の口座にはマイナンバーの登録が必要となります。平成28年1月以降に開設する(した)口座については開設時に登録、それ以前に開設した口座についても平成30年12月末日までには登録が必要です。
これによって、銀行・証券口座については、平成30年12月末日にはマイナンバーの登録が完了することになります。
このような3つのメリットがあるとされているマイナンバー制度ですが、本格的に導入が進み、各自治体や省庁に情報が蓄積されると、相続にはどのような影響が出てくるでしょうか。
手続きの面で言えば先にもお伝えしたとおり、書類の収集などの手間が軽減され利便性は高まることが考えられます。被相続人がどこの金融機関に口座を持っていたか、慌てて探す必要もなくなるかもしれません。
裏を返せば、各自治体や省庁も被相続人の情報を今まで以上に把握できるということです。例えば被相続人の口座から生前に多額の出金があったり、被相続人と相続人の口座間で不自然なお金の流れがあった場合には、今まで以上に指摘をされる可能性が高くなるということです。よく言われていることですが、制度の導入が進むほど個人情報が丸裸になっていくことになります。
ただし相続対策においては、提案する側もクライアント側も、法に反することなくまっとうな手段でまっとうな対策をしていれば何も指摘されることはありません。マイナンバー制度の導入によって、今まで以上にモラルの高い相続対策が必要となると考えています。