こんにちは、
相続士・ファイナンシャルプランナーの澤田朗です。
地籍調査によって境界が確定できなかった場合には
「筆界未定」
として調査が終了することになりますが、
その後どのようなデメリットなどが生じるのでしょうか?
境界が確定していない土地ということは、
隣地との揉め事が残っているという土地ということで、
第三者にとってもあまり購入したいとは思わないので資産価値は相対的に下がります。
売却する意思もなくそのまま保有していれば良いかというと必ずしもそうではなく、
自分たちの世代はそれで良くても、
世代が変わり隣地を含めて当事者同士の世代交代が進めば、
いずれは売却という選択肢も出てくるかもしれません。
事情も分からないまま次世代に土地の相続が進み、
関係者が増えていくことによって揉め事の火種が大きくならないとも限りません。
土地の境界があいまいな場合には、できれば自分たちの世代ではっきりとさせた上で、
次世代に資産を残すようにしたほうが良いと思います。
親族間でも揉め事が多い今の時代ですので、
他人が関係してくると話がさらに複雑になることが考えられます。
地籍調査が終わった後に境界が確定していない土地については、
その後当事者同士で境界を確定することもできますが、
登記費用や境界確定に必要な費用(測量や鑑定費用)等は
すべて実費負担となります(地籍調査に関する費用については、実費負担はありません)。
確定までの作業や手続きもかなりの労力が必要で、
具体的には隣地の所有者全員の立会いのもと、あらためて境界を確認・確定させた後、
境界標を埋め込む作業が必要となります。
さらにあらためて測量をして測量図に実印で境界確認の証明をもらい印鑑証明書の添付をしたうえで、
法務局に地積更生の登記を申請します。測量には不動産鑑定士に依頼する費用のほか、
登記費用や司法書士費用がかかりますので、境界確定までには時間や手間のほかに費用負担も大きくなります。
地籍測量は全国的に見ても進捗率はまだ低いですが、
境界が確定していない土地については、このような地籍調査等をきっかけに確定をさせ、
次世代に揉め事という負の遺産をのこさないようにしておいたほうが良いと思います。