こんにちは、

ファイナンシャルプランナーの澤田朗です。

今回は、前回に続いて、
「住宅ローン」の「返済期間」のお話の第2回目です。

返済期間を長く借入をして、返済開始後にできるだけ返済のスピードを速くして、

できれば退職予定年齢までにローンを完済する、

「長く借りて短く返す」試算を行います。

前回お伝えした内容と同様、

・20年返済と35年返済を比較
・借入金額:2,500万円
・金利:フラット35(全期間固定) 20年:1.03% 35年:1.10%  

で試算をしています。

20年返済の場合、
・毎月の返済額:115,308円
・返済総額:約2,770万円

35年返済の場合、
・毎月の返済額:71,743円
・返済総額:約3,010万円

毎月の返済額は、35年返済のほうが3割以上少なくなりますが、

返済総額は、20年返済のほうが240万円程度少なくなります。

35年返済の場合、

漠然と返済を続けていくと返済総額が多くなり、

返済を開始した年齢によっては、
退職後もローン返済を続けていかなくてはなりません。

そこで、35年でローンを組んだ後に、

35年返済と20年返済との毎月返済額の差額、
約4万円を繰上返済の原資として毎月貯蓄をして、

何年かごとに繰上返済をしていきます。

この場合、貯蓄額は4万円でなくても、できる範囲で良いと思います。

例えば毎月4万円を貯蓄すると、年間48万円、2年で約100万円が貯まります。

2年ごとに100万円の繰上返済をすると、
総返済額は繰上返済額を含めて約3,070万円、

20年返済の場合よりも40万円程度総返済額は多くなりますが、
返済期間は約21年に短縮できます。

毎月の返済額を抑えつつ、
返済期間を短くできるというメリットは大きいと思います。

また、毎月2万円を貯蓄した場合は、年間48万円、4年で約100万円が貯まります。

4年ごとに100万円の繰上返済をすると、

総返済額は繰上返済額を含めて約2,890万円、

20年返済の場合よりも120万円程度総返済額は多くなりますが、
返済期間は約27年に短縮できます。

「だったら初めから短い返済期間で組むのと変わらないんじゃない?」

と思うかもしれませんが、

毎月必ず約11.5万円を支払うことが決まっているのと、
毎月の返済額を約7万円に抑えて差額を貯蓄するのとを比べると、

家計への影響・家計の安定感が大きく変わってきます。

例えば20年返済の場合、

貯蓄する余裕があまり無かったり、
教育費その他の支出が思ったよりかかった場合、

または思いのほか収入がダウンした場合などは、

家計の収支がマイナスとなってしまいます。

これに対して35年返済の場合は、
繰上返済のための貯蓄とはいっても、手元にお金が残っているので、
不測の事態にも対応することができます。

繰上返済の計画を変更することになるかもしれませんが、
当面の家計の収支にさほど影響が出ることはありません。

貯蓄できる余裕を持たせ、繰上返済の原資を作り、不測の事態にも対応する。
資金繰りがショートすることをできるだけ避けておくことが、

家計の収支を安定させる方法なのではないかと思います。

 
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