こんにちは、
ファイナンシャルプランナーの澤田朗です。
今回は「住宅ローン」の「返済期間」についてお伝えしようと思います。
毎月の返済額や返済総額を左右するのが、「借入金額」「返済期間」「金利」の3つとなりますが、
借入金額と金利が同じ場合、
返済期間を長く伸ばすほど「毎月の返済額」は下がりますが、その分利息を多く払うため「返済総額」は増えていきます。
多くの住宅ローンの場合、返済期間は最長で35年。さらに完済時の年齢が80歳以下となりますが、
80歳までローンを組むということはあまりしないので、
退職時の年齢である60歳または65歳までで完済する計画を立てるケースが多いです。
ただ退職時の年齢で完済をするとなると、返済期間が短くなり、
場合によっては毎月の返済額が思ったより多くなってしまうことがあります。
そこで、返済期間を長く借入をしておいて、
返済開始後にできるだけ返済のスピードを速くして、
できれば退職予定年齢までにローンを完済するという
計画を立てることもできます。
■住宅ローンを「長く借りて短く返す」試算をしてみる
では、はじめに具体的な試算をして、
返済期間が異なると毎月の返済額と返済総額がどのようになるか見てみましょう。
今回は、20年返済と35年返済を比較して、
「借入金額:2,500万円、金利20年:1.03% 金利35年:1.10%」
で試算をしています。
金利は2016年12月のフラット35(融資率9割以下)の最も低い金利を使っています。
毎月の返済額は、
20年返済の場合は115,308円、35年返済の場合は71,743円。
35年返済のほうが35%程度少なくなり、その分家計への負担も少なりますが、
20年返済の場合の返済総額は約2,770万円、10年後の残債は約1,325万円、
半分以上返済が終わっていて、完済までの先が見えてきたといったところでしょうか。
一方35年返済の場合の返済総額は約3,010万円、20年返済と比べて返済総額は240万円程度多くなり、
10年後の残債額は約1,890万円、残債額も25%弱しか減っていないことになります。
長い返済期間で借りれば毎月の返済額は少なくなるが、
その分返済総額は多くなる、また、退職後にローン返済が続く可能性もある。
毎月の返済額の面から考えれば返済額は長くしたいところですが、
返済総額や長期的なライフプランの面では、返済期間を短くしたいところです。
そこで考えられる解決方法の一つとして挙げられるのが、
「長く借りて短く返す」
という方法です。
借入当初は返済期間を35年など長くしておいて、返済が始まった後に繰上返済をして、
退職予定年齢までにローンを完済する計画を、
「購入前に」
立てておくことで、
ローンを漠然と返済していくよりも、返済期間の短縮ができ、返済総額も抑えることができます。
その効果については、次回お伝えしたいと思います。