みなさまこんにちわ、不動産コンサルタントの佐藤毅史です。
ご存知の方も多いかも知れません、昨年度の基準地価の対前年度の伸び率を上位順で見ますと、
1位になったのは、千代田区の番町エリア。
いわゆる元からの地くらいが高い、高級住宅街がランクインしました。目黒区自由が丘なんかもその典型です。
千葉県木更津市は、三井不動産のアウトレット開業とアクアライン通行料引き下げによる流通業界の倉庫展開等もあり、その界隈での一部投機的取引!?により地価上昇しているものと思われます。
そうです。タイトルにも記載しましたが、一時恐ろしく流行っていた月島や晴海、豊洲といったタワーマンションの林立する湾岸エリアが地価上昇の牽引役であったときもあるのですが、昨年の地価上昇に関して言うと、上位にはランクインすらしていないのです。
ここで、更に一昨年の基準地価上昇ランキングを見てみましょう。
こちらを見ますと、1位は中央区月島3丁目となっています。外にも晴海や南青山といったタワーマンションの林立するエリアが上位にランクインしていることが分かります。
そうです、既に高値圏に突入して実態経済を超越した価格を形成しているタワーマンションの多くが消費者の手に届かない所にいってしまい、値崩れが始まりかけているといえます。
そして、かつて中国人旅行客が銀座界隈で金に物を言わせて「爆買い」を行いましたが、
いま、
「爆売り」
なる現象が起ころうとしているのです。
これはどういうことかというと、
不動産は売却した年の1月1日時点における所有期間が5年超か以下かで、売却によって発生する譲渡所得税の税率が変わってきます。
5年超ですと、所得・住民税合わせて20%(復興所得税除く)ですが、
5年以下ですと、それが39%(およそ倍)になってしまいます。
タワーマンションが流行したのは、リーマンショックが発生した翌年以降。
つまり、2010年頃ですので、年の途中で購入された方の場合、2016年1月1日時点で所有期間が5年超となっており、既に含み益を持った不動産の売却を行っている富裕層が多数存在します。
相続税対策でタワーマンションの高層階における時価と相続税評価額の乖離を利用した節税に待ったを掛けている国税。
中国経済が新常態という低成長状態でありながら、人民元の持ち出しを制限している習金平氏。
爆買いを望めない時代において、多くのタワーマンションがあまりつつあるなか、
少し購入タイミングの遅れた方、
2011~2013年頃に購入された方の売却(所有期間5年超で課税が有利になる)のピークが、
2017年~2019年の東京五輪前といわれているのです。
恐らく、これから大量の爆売りによって、タワーマンションのバーゲンセールが催されるのではないかと筆者は考えております。
不動産の価格は、日銀の金融緩和と受給によって成立します。
現在のマンション市況は供給過多感が否めませんが、それでもタワーマンションの供給が過剰かというと疑問でもあり、ある意味でこれから先大量の爆売りによって、飽和供給で値崩れをしてしまえば、含み益も一瞬で吹っ飛んでしまう可能性もあります。
事前の準備を周到に行うと共に、含み益の実体化を用意しておくことが求められるでしょう。
何時、売るの!?
○○でしょ!?(笑)