みなさん、こんにちは。

「現役大家FP」の佐野です。

今回はいよいよAさんのお話の最終回。果たしてAさんご夫婦はどんな決断をするのでしょうか? 前回までをお読みになってない方はコチラからどうぞ。

今、自宅を売ることが果たして“損” なのかか“得”なのか。損得勘定を以下の3点から論じてきました。

  1. ①売買時のコスト
  2. ②新しい住居
  3. ③不動産業者の選定

このような注意点を私と一緒に検討した上で、結局Aさんがどうしたかと言うと…、

       

無事にご希望の価格でご自宅を売却しました!

まず「売買時のコスト」は新築から売却までの3年間の家賃と相殺するという考え方でクリア。「不動産業者の選定」も売主として専任媒介契約を結ぶ不動産業者をじっくり選ぶことで、結果的に当初の不動産業者の提案から大きく乖離しない金額で売却ができました。

しかしAさんの場合、なんと言っても大きかったのが「次の住処」の問題です。たまたま同じ時期に親族が所有している賃貸マンションが空室になっており、そこを安く借りることができたのです。

そうすることで当面の住宅費を抑えつつ、マーケットの落ち着きを待って良いタイミングのところでまた新しく家を購入するのというのがAさんご夫婦と私で考えたプラン。親族所有の賃貸マンションですので期間を区切られることなく、じっくり腰をすえて次の住居を探せるのがとても重要なポイントでした。

一方でファイナンシャルプランナーとして気になるのが、今後の生活費のバランスです。社宅などにお住いの方にも見られる現象ですが、なまじ住居費が抑えられている分、なにかと生活費が膨らみがち。一般的な家賃や住宅ローンを払っている人に比べて使えるお金が多くなるからです。

Aさんの場合はいずれ新しい住宅を購入する計画ですし、その時の住宅ローンはたとえ35年間で組めたとしてもその全期間に渡って給与所得があるわけではありませんので、やはり事前のしっかりとした備えが必要になってきます。

そこで売却が決まった時点で、Aさんと相談して次の住宅購入の予算や時期をある程度決めておいて、そこに向けてどうお金をコントロールしていくかのライフプランも作成しました。ライフプランを「貯金の計画書」として使う算段です。

いかがだったでしょうか。

家の売却も人それぞれで状況は違うモノ。全ての人にAさんの例が答になるとは限りませんが、Aさんの成功要因はやはり包括的に様々な可能性を検討した上で決断をされたことだと思います。

皆さんも、目先の利益にとらわれずに今後のライフプランを考えた上でご自宅の売却を検討してみてください。

 
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