こんにちは!
「幸せと笑顔を最大に!」遺言・相続コンサルタント/行政書士の坂井宏爾です。
私が、相談者やセミナーに来た方に「相続に向けて例外なく必要な準備」として伝えていること、それはご自身の亡くなった時をイメージすることです。
「なんだそんなことか」とお叱りを受けてしまいそうですが、実はこれが、意外と皆さんできていないのです。
自分が亡くなった時のイメージができていないと、相続対策を考えようとしても、考えようがないです。財産のことはもちろん相続人となる家族との関係などをできるだけ具体的にイメージをして頂きたいのです。そこで、初めて相続の準備に何をしていくかを考えることができるのです。
「相続の準備をしたいのだけれど何をしたらいいですか?」と言われても、ご自分の財産のことあるいは、ご家族に何をどう残したいのかをしっかりとイメージしていない方にアドバイスすることができません。
たとえば、以下の例で考えてみましょう。
・相談者のAさんは65歳の女性、ご主人はすでに亡くなっている。
・財産は現在住んでいる自宅の土地と建物のみ。現預金はほぼ0。
・生活費は月15万円の年金で賄っている。
・ご家族は、独立して別居している子供が2人。
という状態で、「相続の準備は何をしたらよいでしょうか?」と聞かれたときに、どう答えるのが正解でしょうか?
建設会社の方が相談にすれば、「そうですね、価値のある土地だから建物を立て替えて収益物件を建てましょう。」というかもしれません。
不動産会社の方に相談すれば、「ご自宅を売って、もう少し狭いところに移られれば、生活に余裕ができますよ。」と提案するかもしれません。
女性の場合、平均寿命が87歳、亡くなるまで20年以上あることになります。
Aさん自身は20年後のご自分がどのような生活をしていて、亡くなった後に家族にどうして欲しいのか、イメージして欲しいのです。亡くなったご主人が建ててくれた家で最期を迎えたいのか、子供の近くで過ごしたいのか、それとも早めに施設に入って暮らした方が、気が楽だと思っているのか。そういったことがはっきりできていないと、相続の準備と言われても、コンサルタントとしては何も答えようがないのです。
相続税を減らすことばかり考えていて、相談をし、相続財産は減らすことができても、やっぱりこうしておけばよかったと後悔をしている方がたくさんいます。後悔したときに変えることができればよいですが、そうできないときは大変です。
まずは、そうならないために亡くなるときのことイメージすることが大切だということはおわかりいただけましたか?
では、具体的にどのようにしてイメージをしていくかを次回お伝えします。