なんかいいことないかなぁ~?!
事務所でぼぉ~と考えていると、日頃からお付き合いのある宅建業者のIさんから電話がかかってきた。
Iさん「先生、更正が通りました。相続税が2,200万円還ってきます」
わたし「えっ!!通ったんですか?それはすごいですね!!お客さんもびっくりしてるんじゃないですか?」
事の起こりは、昨年の7月にIさんから、お客さんが相続で揉めているから相談に乗ってほしいという依頼であった。相続で揉めるというと遺産分割と相場が決まっている。私も遺産分割の揉め事、所謂「争続」に関与した経験があるが、多くの場合デスマッチとなってしまうように感じる。誰かがへとへとになってギブアップするまで続くのである。付き合いきれるものではない。銀行の支店には、「争続」の結果、開かずの貸金庫と化したものが2つや3つ必ずあると聞く。
で、あまり乗り気ではなかったのであるが、とりあえず話だけは聞いてみるとにした。話を聞いてみると、相続があった家は、東京近郊の地主さんということであったが、相続は3年前に発生して、相続税の申告期限内に兄弟で遺産分割も円満に終わっているとのことであった。
それが3年もたって何を揉めることがあるのだろう?遺産分割はやり直しがきかないのは誰でも知ってることでしょう?揉めるにしても相続じゃないんじゃないの??
私は不思議に思った。
話はこうである。
相続財産の中に1,500㎡程度の果樹園があった。隣接地までは宅地開発が進んでいたのであるが、対象地は、高低差が約15mある傾斜地であり、道路に接面していない所謂、無道路地あったため、住宅地の中に取り残されたような形で放置されていたような土地であった。
この土地をIさんのお客さんが共有持分5分の4を相続し、残りをお客さんのお兄さんが相続した。
Iさんは、使い道のない土地の処分について、お客さんから相談を受けた。
そこから、Iさんの活躍が始まるのである。
まず、隣接する同じ無道路地を格安で購入し、対象地と併合した。
さらに道路用地の購入に成功。
その後に造成可能な傾斜地上部、土地全体の約3分の2の部分の買い手を見つけたのである。
自慢げなIさんのお話を拝聴させていただきながら、「これは確かにいい仕事だね~。でもハッピーエンドじゃないの?」と思ってた。すると、なんとこれが揉め事の原因であるそうな。
売れた土地の代金の分配と残った土地の所有権について、兄弟で話がまとまらないのだそうだ。
Iさんは、弟さんからの依頼をうけて、土地を纏めていったのであり、土地購入資金も弟さんが出していたようである。Iさんの活躍で対象地の価値が増加した訳であるが、その部分の価値がいくらで、誰に帰属するのかなど、不動産鑑定士でもわからんぞ!いや、関わりたくないと内心思っていたら、、、
Iさんが「申告した税理士がダメダメで全くダメなんです。」などと言い出したのであった。
つづく