売却をすることを決断すると、「少しでも早く売って現金化したい」
「少しでも高い値段がついて手放したい」という気持ちになると思います。
株式などの金融商品であれば、市場があり、「今の価格」というのが、
誰が見ても客観的に分かるので、「今手放すと、いくらで売れるから、
いくらの利益だ(損失だ)」というのが、ひとめで分かります。
ただ、不動産の場合は、買いたいという希望の方が現れて、価格の相談、
交渉などを経て、「この価格なら売却しても良い」という気持ちが固まって
始めて価格が決まるという、ひとめで分かる基準がないのが、不動産の
難しさでもあり、楽しさでもあると思います。
仮に、近隣相場から見て、「2,000万円」で売買されていることが
多い物件であったとしても、売りたい側の事情で少しでも早く売却したいから
値段を下げる、ということを決めて、「1,600万円」で希望を出した場合、
買いたい方が、「その値段なら買う」ということになれば、それで売買の取引が
成り立つような個別性の強さが、不動産取引にはあります。
だからこそ、価格交渉、応相談、という項目が、広告などに掲載されることがあるのです。
そういう流れがあるので、売りたい人が希望価格を出し、その価格で買いたい人が買う、
という気持ちになることが、売却を成り立たせるために必要なので、売却するときには、
「いかに、買いたい方が、この物件を良いと思ってもらえるか」
が大切です。
売りたい人と買いたい人の仲をうまく取り持つのが、不動産の取引に携わる営業パーソン
なので、その仲を取り持ってくれたお礼として仲介手数料を払う訳ですが、
「●●不動産の▲▲さんに任せてあるから安心」と他人任せにだけはせず、
「より良い物件と思ってもらうために、自分自身でも用意して、
納得のいく価格で売却できるためのツール」
などを、仲介業者の担当者などに提供していく、という協力姿勢が大切になってきます。
次回からは、具体的に、どういう資料などがあれば、買いたい人の気持ちを安心させ、
良い物件だと思ってもらえるような差別化につながるかについて、お伝えしようと思います。