以前住んでいたマンションの話です。
そこは新築マンションだったので、竣工と同時に住人が入居しました。
街中マンションのことだからベッタリとしたお付き合いはないものの、一応隣の部屋くらいには挨拶に行きました。どんな人が隣に住んでいるかわからないまま暮らすのも不気味ですからね。
右隣の部屋には無事に挨拶完了。
小さい女の子のいるご家族でした。
たまにお子さんのお友達やママ友が集まってきゃあきゃあ騒いでいましたが、顔を知っている相手なら「ああ、また楽しそうにやっているな」と思う程度で済みます。挨拶はやっぱ必要ですな。
問題は、左隣。
住人が入居し始めてしばらく経つというのに、全然捕まりません。
夜チャイムを鳴らしてもダメだし、休日の午前中にピンポンしても応答なし。
ま、気持ちはわからないでもないです。
モニターがある共用エントランスならどんな人間がチャイムを鳴らしているか確認できるからまだいいけど、そのマンションは各戸の玄関にはモニターがありません。
オートロックを解除する操作をした覚えがないのに、自分の部屋のチャイムが鳴ったら不審に思って居留守を使ってしまう。
と、オンナおひとりさまのワタシは考えました。
なので左隣の部屋用に用意したお菓子は友人にあげてしまい、どんな人が住んでいるのかわからないまま数カ月暮らしていたのです。
ところがある日、左隣には人が住んでいないことが発覚。
中古マンションを探していた友人とワタシが買ったマンションについて話をしていたら「そういえば、アンタのところのマンション、早速売りに出てるね」と教えられました。
まさかと思って不動産検索サイトを見てみると、写真や階数からしてワタシの部屋の左隣に間違いなさそうです。
「新築マンション、未入居です!」なんて謳い文句を見るに、せっかく買ったマンションに住むこともなく売りに出した様子。そりゃワタシがいくらピンポンしても誰も出ないわけだ。
せっかく契約した新築マンション、諸事情によって泣く泣く住めない羽目になった場合は手付解除や違約解除をする方法があります。
手付解除は、払った手付金を放棄して契約を破棄する方法。
違約解除は、違約金を支払って契約を破棄する方法です。
どの段階から違約金が発生するかは物件によって異なるので、契約の際に注意してください。
引き渡し後に売る場合は、通常の中古マンション売却と同じように仲介業者に依頼して売却することになります。
ワタシが出会った仲介業者達《全編》誰も住んでいない新築マンションなんだから高く売れるだろうと思ったら大間違いで、立地や物件のスペックによっては安く買い叩かれることもあります。
もちろん、不動産市況によっては契約時より高く売れることも無きにしも非ず。
契約解除にせよ売却にせよ、手間とお金がかかるだけでいいことなぞありません。
マンションを買うときには「今買っても無事に支払いできるのか。そして長く住めるのか」ということをよくよく見極める必要がありますね。