マンション販売の宣伝文句によく見かけるのが「今がマンションの買い時!」という文言です。
買い時の根拠は、住宅ローンが史上最低の金利だとか、減税措置で得するのは今年度までとか、そんなようなことです。
十数年間マンションウォッチングを続けてきたワタシが断言しましょう。
マンションの買い時なんてものはありません!
住宅ローンの金利は、確かに動きます。
ワタシが1軒目のマンションを買ったとき、まさに「史上最低の低金利!」てのが謳われていて、過去の金利の推移を見ると確かに低かった。
こんなに金利の低いタイミングでローンを組めたなんてワタシったらラッキー、なんてことを真面目に思っていました。
ところが、そこからもずるずると金利は下がり続けて、2軒目のマンションを買ったときには「ワタシったら1軒目のマンションのローンを随分高い金利で借りていたんだなあ……」と愕然とするほどでした。
初めて住宅ローンを借りる若い娘さんとしては、この先どんどん金利が上がることばかりが心配になっていたのですね。
何しろ親はバブル時代にローンを組んでいた世代。せっせと繰上返済をしていかないと元本が全然減らないのを目の当たりにしていましたから「何かの加減であんな金利になったらどうしよう」というリスクばかりを気にしていました。
さすがにバブル期みたいに8%を超えるような金利だと「何も今マンションを買わなくてもいいのではないでしょうか」と考えてしまいますが、バブル崩壊後数十年間の平均的な金利(3%)程度であれば「そんなものだ」と考えてローンを組むのも悪くないと思います。
1%を切るような金利を見た後だと3%って何やねん! てカンジですが、何かの拍子に金利が1~2%動くのは非現実的なことではありません。
というか、1%を超える金利になったら困るというカツカツの資金計画ではマンションを買ってはいけない。
35年間かけてローンを返済するのであれば、過去35年間の金利の動きを見ておくべきです。
一方、住宅借入金特別控除や住宅取得資金贈与の非課税などの減税措置について。
これらは「平成○年まで」などと期限がありますから「今のうちにマンションを買っちゃわなきゃ!」と焦るかもしれません。
しかし、今のところ政府はどんどん家を買わせようというスタンスなので、住宅購入に関しては常に何らかの減税措置があります。
だから別に焦る必要はありません。
買い時はいつかと強いて言うとすると、資金計画の見通しを立てられるタイミングで、ライフスタイルにぴったりのマンションに出会った時です。
たくさんの物件を見ながらじっくり頭金を貯めて、いつか訪れるあなたの「買い時」に備えましょう。