マンション大好き! ノリノリC氏
B氏の次に査定に来てもらったのは、若くて体育会系のC氏です。
C氏も大手のマンションディベロッパー系仲介業者。
ワタシのマンションのエリアでも多くの成約事例があるので、不得手とは言わせません。
C氏は職業上というわけでもなく心からマンションが好き! というタイプで、「あの年代のマンションは贅沢なスペックだ」とか「このマンションのあの仕様が好きだ」などといったマンション話に花が咲きました。
ワタシのマンションに対しても「よくぞその点に気づいてくださいましたね!」というマニアックな部分を褒めてくれ、その一方で欠点(日当たりやマンションのブランドなど)も的確に言及し、なかなかいい目をしています。
さらに、C氏は購入希望者に対するプレゼンテクニックについて説明してくれました。
テクニックそのものはとりわけ素晴らしいということもなかったのですが、爽やかな若者がキラキラした目をして「この物件はオススメですよ!」などと営業トークをかましたらクラッときてしまうマダムもいることでしょう。
やはり営業マンには見た目の清潔感が大事ですね。
また、C氏は後日丁寧な査定書を送付してくれたのも好感がもてました。
ほかの業者は「査定額はいくらです。以上」みたいなペラッとした査定書で、なぜその金額になったのか根拠がよくわからなかったのです。
それがC氏の作成した査定書はちょっとした冊子になっており、要件ごとに基準と査定結果がしっかり書かれていました。
ほかの業者がきちんと査定してないとは思いませんが、それを開示してくれるのとそうでないのとではやはり心象が違います。
無茶を言うD氏
大手ばかりでは片手落ちだと考え、近所の小さな不動産屋のD氏にも査定に来てもらいました。
マンションは転勤などの事情で引っ越す遠方の方が買うこともありますが、やはりご近所さんのお買い上げも多いそうです。
そういう近隣住民の需要を吸い上げるには、地盤のある地域密着タイプの業者が強いのではと考えました。
D氏は、お腹がでっぷりしたオジサンでした。
ウチに来るなり「こういう狭い部屋は人気ないんだよねー! マンションの知名度も低いしさー!」とけちょんけちょんの言いっぷりです。
ワタシのマンションが超人気物件だとは思ってないから……そんなに畳み掛けるように悪口を言わなくていいのよ……と心が折れそうになります。
そしてD氏は査定額の話の前に、瑕疵担保責任について長々と説明し始めました。
あんなトラブルやこんなトラブルがあるからね! そうするとアナタがこれだけ支払わなきゃいけないからね! 過去に裁判にまで発展したこともあるからね! などなど。
さらには、そういうトラブルを避けるために事前に徹底的にリフォームをした方がいい! とまで言い出すD氏。
A~C氏に「内見の前にリフォームをした方がいいのでしょうか」と質問をしたところ、どの業者もその必要はないと即答していました。
彼らが言うには、リフォームをするほどの傷や汚れはない、買主の好みと違う内装や設備だと売れづらい、好みと違うリフォームをするくらいならその分安くしてほしいという人がほとんどということで、ワタシもそれには納得していたのです。
だからD氏の「リフォームをした方がいい!」という主張には違和感が残りました。
大手業者のオレ様なE氏
E氏も若くて爽やかなイケメン風味でしたが、印象としては「つかみどころのない」というカンジの青年でした。
説明する内容に破綻はないし、これまでの実績も素晴らしいものです。
それなのにどうもぐっとくるところがない。
どうやらそれは、E氏の仲介業者が業界最大手で高級マンションをバンバン扱っているところに起因しているようです。
いわゆる億ションを取引しているE氏にしてみれば、安い狭小マンションから上がる利益なんて微々たるものなのでしょう。
ただ、しょぼいマンションでも取りこぼすとそのエリアのシェアが下がるので、ほかの業者には譲りたくない。だから一応フツーに接客している。
そんなわけで熱意があまりないというか、むしろオレ様が売ってやるんだからありがたく思え的な空気を醸し出していたようでした。
のちのち、E氏がワタシのところにメールを誤送信してきたことがあって、それがマンション1棟売りの資料だったものですから「ああ、何億円を動かしてりゃ数十万円の仲介手数料なんて端金に見えるわな……」と妙に納得したものです。
マンション売却は、ワタシにとっては恐らく一生に一度二度の一大イベントです。
できれぱ信頼できる人と、楽しく売却活動をしたい。
そう考えて、ノリノリC氏と専属専任契約を結びました。
これで仲介業者選びの悩みは終了!
…と思ったのですが、C氏のところでは売れ行きが芳しくなく、結局仲介業者を乗り換えました。
その辺りのことは改めてレポートします。