中古住宅を売りに出す際、「内装や設備をリフォームした方が高く売れるだろうか」と考える方がいます。
これについては物件の築年数や買主の属性によって正解が変わるので、よく考える必要があります。
売出前にリフォームをしない方がいい場合
最近はリノベーションも一般的になってきました。
工業製品的なつまらない新築住宅を買うくらいなら、安い中古物件を買って好きなようにリノベーションしたいという人も多く、センスの良いリノベーション業者も増えています。
リノベーションを希望する人にしてみたら、中途半端にセンスの悪い壁紙に貼り替えられていたり使い勝手の悪いシステムキッチンに入れ替えられたりしていたらマイナスポイントになりえます。
新品の設備をまた入れ替えるのはもったいない。それくらいなら中途半端なリフォーム代分を値引いてくれたらいいのに。と思ってしまいますからね。
ワタシがマンションを売ったとき、築10年の物件だったので壁紙の一部はそれなりに汚れていました。
もちろん必死になって掃除はしましたが、限界があります。
「これだけ汚いと印象が悪くならないだろうか。貼り替えるべきだろうか」と迷っていたところ、仲介業者に「貼り替えなくていいですよ」と止められました。
かなり汚いと思っていた壁紙も「こんなのキレイな方ですよ」と言われたので、中古物件とはそれなりに汚いものだと割り切っている買主も多いのでしょう。
売出前にリフォームをした方がいい場合
中古物件を買う人すべてがリノベーションを楽しみたいと考えているわけではありません。
内装に特にこだわりもなく、何の補修もなく住み始められる方がラクだという人も少なくないです。
特に急な転勤などで急いで物件を探している人は、悠長に壁紙を選んでいるヒマはないですからね。
年度末の不動産市場が活況なときに売り抜けたい人は、時間がない人をターゲットに絞ってすぐに住める状態にしておいた方が買主を見つけやすいかもしれません。
特に古い物件で長期間買い手がつかなかった場合、水周りや壁紙など目立つ部分をキレイにするだけでも印象が激変するケースがあります。
なお、築10年を過ぎると給湯器とガスコンロが故障し始めます。
それらを放置したまま売り抜けたとしても瑕疵担保責任が発生しますので、契約のときによくよく確認をお忘れなく。